2011年1月6日(木) 18:30開場 19:00開演 @サントリーホール 大ホール
東京交響楽団 第585回定期演奏会

管弦楽:東京交響楽団
指揮:飯森範親
ピアノ:アリス=紗良・オット

リスト:ピアノ協奏曲第1番
~ソリスト・アンコール~
ショパン:ノクターン 第20番

---休憩(20分)---

マーラー:交響曲第1番「巨人」


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新年始まって「第1回目の」コンサートでございます。
リストの「1番」、マーラーの「1番」。
初め尽くしで、縁起がよろしくて(何が?)


まず、真紅のドレスを纏った沙良=オットと飯森氏が登場。

実はリストの協奏曲はあまり好みではないのですが、美しく繊細な演奏でかなり楽しめました。
ほかのピアニストによく聴かれる激しい打鍵ではなく、淡々と曲を進めていくのですが、
そういう演奏の白眉は第2楽章。あの若さで聴衆を完全に支配して聴かせてくれて、思わず息をのみました。これからが楽しみな彼女、清楚な感じなのでショパンなんか似合うんじゃないでしょうか。
飯森氏も音量に気配りしつつ、堂々とした伴奏で彩っていました。

アンコールのショパンも素晴らしく、バランスのとれた王道を行く演奏でした。

休憩後のマーラー、「巨人」の実演は昨秋のメータ/イスラエル・フィルの快演以来、2回目です。
第1楽章、フラジオレットがなかなか神秘的に始まり、荒主席のオーボエ群(ブラーヴァ!)をはじめ、楽器の出し入れが実によく行き届いて立体感抜群、土の香りが立ち昇るかのよう。この時点で期待できるなぁ、と思いました。4度音程に続きチェロが第一主題を奏で始めると、青春の歌が始まります。その後のフィナーレまでの盛り上げ方も実に板についていて見事。金管群もふくらみのある音色で応えました。

第2楽章はやや遅めでしたが歯切れよく奏でられたかと思うと、トリオでは意外にもポルタメントをうんと効かせて、東京響の豊満な弦(これに対して都響の弦は硬質さが魅力ですね)を活かす。いい解釈ですね。
葬送行進曲はテンポ速めで、コントラバスはソロ。木管の味の濃さは魅力ながら、やや散漫に終わってしまいました。メータ/イスラエル・フィルも同じような印象ですから、この楽章をうまく聴かせるのは相当に難しいんでしょうね。インバル/都響に大きく期待。
第4楽章、偽りの大団円あたりまでは、スポーティに引き締まった良い演奏でしたが、クライマックスに突入して、金管が立ちあがったあたりから金管セクション全体がバテバテになって、ミスはいいとしても、音がベチャっとつぶれてしまって興を削がれました。
オーケストラ全体としては飯森氏のテンポアップによく付けて、何とか終結。

終演後ステージ、ホールともに盛り上がっていましたが、個人的には「??」という感じで今一ついていけず、木管群に大きな拍手を送った後はさっさと会場を後にしました。
金管奏者の方お疲れ様でしたが、カーテンコールでもやはり他のセクションに比べて拍手は少なかったですから、他のお客様も大方同じような意見では、と思います。
ただ、第1楽章・第2楽章まではトロンボーンの素晴らしい音色をはじめとして見事でした。

飯森氏の解釈としては、先述した通り作りこまれた緻密さと、若々しい爆発力のバランスがよく取れたオーソドックスなもので、メータの貫禄十分の演奏の後ではかえって新鮮に感じられました。


繰り返しになりますが、いつかインバル/都響がこの曲を取り上げることがあるでしょう。その時は強靭な都響の金管セクションにも期待です。まあ先のことは分かりませんが・・・。

ではでは。