2011年3月24日(木) 18:00開場 19:00開演 @東京芸術劇場大ホール

2011都民芸術フェスティバル
オーケストラ・シリーズ No.42 新日本フィルハーモニー交響楽団

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:今川映美子
指揮:小泉和裕
コンサートマスター:崔文洙

ベートーヴェン:劇付随音楽「エグモント」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲

---休憩(15分)---

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番


今日の新日本フィル、第2ヴァイオリンには都響のトップ・双紙氏が。お久しぶりです。

まず開演に先立って日本演奏連盟の方から簡単な挨拶があり、その後黙祷が捧げられました。

続いて小泉さんが入場し、重々しいトゥッティで「エグモント」序曲が始まり、分厚い弦の響きが続きます。
どこも奇を衒った所のない、堂々たるベートーヴェン。一曲目にしてブラヴォーが飛びます。
インバルの古典派演奏もそうですが、ピリオド奏法が席巻する現代音楽界において、気宇壮大な解釈を貫き通す演奏家は頼もしい限りですね。信用できます。

続いて、グリーグのピアノ協奏曲。
有名な冒頭で始まる曲で、美しいメロディが満載なのですが、あまり聴きこんでおらず楽しめませんでした。協奏曲もしっかり予習しなければだめですね。
演奏自体は、透明感のあるピアノとオーケストラの掛け合いが美しく、佳演でした。

休憩後、ショスタコーヴィチの第5番の前に、小泉さんがマイクをとります。
「震災の被害でご苦労をされている方々が大勢いらっしゃる。この後演奏する交響曲第5番は、《苦悩から歓喜へ》というテーマをモチーフに書かれている名作で、ベートーヴェンの作品の精神にも通じる。実際に演奏を聴いては頂けないが、避難生活を送っている方々に捧げるような演奏にしたい」と真摯に話されました。盛大な拍手を受け、力強くタクトが振り下ろされます。

前半と同じく、ピラミッド型の重厚な弦の響きに支えられた演奏でありましたが、ロシアの原風景が浮かんでくるとかいうことは特になく、極めて純音楽的な名演だったと言えます。

小泉さんはこちらも王道をゆく解釈で、ヴォルコフの「証言」なんてどこ吹く風という感じですが、
どっしりと腰を下ろしたテンポ設定(アッチェレも妥当!)でかなり楽しめました。

曲が進むにつれて舞台は熱気に包まれ、演奏精度も上がっていくのですから不思議です。
冒頭では、弦のフレーズの歌わせ方などに若干の徹底不足(主催公演でないハンディ?)も感じられましたが、第3楽章あたりから音楽の表情が血の気を帯びてきて、第4楽章では中庸のテンポから加速してヒステリックに高揚し、最後は大音響の中、イン・テンポで終結を迎えました。
若干の間をおいて、客席はブラヴォーの嵐。

新日本フィルは、第2楽章のヴァイオリン、第4楽章のトランペット等、確かな技量をもってマエストロのタクトに必死に応えていました(この状況下ということもあるのでしょうか・・・)。前半を含めて、ややホルンの音の出が遅い感はありましたが、金管の安定した吹奏はやはりこのオケの大きな魅力ですね。第1ヴァイオリンの理知的な音色などもショスタコーヴィチには合っていました。

少しだけ指揮者について。
今日の座席は一階席ニ列目のかぶりつき。小泉さんの指揮姿を一部始終見ていましたが、
カラヤンにしか見えない!!
予備動作、各セクションの煽り方・・・全てそっくりです。楽しみました。

最後に、こういった状況下で演奏会を催してくださった日本演奏連盟及び新日本フィルの関係者の皆様、並びに小泉和裕氏に心から感謝の意を示します。滅ぼしがたき音楽のエネルギーを、ありがとうございました。(特に新日本フィルの楽員の皆様、あの熱演の後に募金活動、本当にお疲れ様でした。私も微力ながら協力させていただきました)