2011年7月22日(金) 18:30開場 19:00開演 @サントリーホール 大ホール

東京フィルハーモニー交響楽団 第806回サントリー定期シリーズ

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:上岡敏之
コンサートマスター:青木高志

シューベルト:交響曲第7番「未完成」

---休憩(15分)---

シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレイト」


創立100周年を迎え、邦人アーティストに集中したシーズンとなっている東京フィル。
この度の震災後、来日演奏家のキャンセルが相次ぐ中で、図らずもアドヴァンテージとなってしまっています。(不謹慎で申し訳ありません)

さて、7月の指揮者は大植英次氏と今回の上岡敏之氏。
どちらもクラシックの本場・ドイツでの株を上げている、現在躍進中の方であります。

特に上岡氏は、読売日響との「ばらの騎士」組曲、N響との第9等の名演で、日本でも注目度の上がっている指揮者ですね。今回初めてナマで聴きます。


一曲目の「未完成」ですが・・・数少ない「どうしても」好きになれない曲の中の一つです。
これまでワルター/コロンビア響等、古典的な名盤も大体聴いてきましたが、未だに良さが分かりません。
今回の演奏で苦手解消出来るかと思っていました。

結果は・・・ダメでした。

冒頭の低音が通常以上に厳粛なピアニッシモで始まり、非常な緊張感を持ち始めたまでは「おっ、いけるかな?」と思ったのですが、私は第2楽章入るまでに舟を漕いでいたと思います・・・情けない。
やっぱりシューベルトは初期交響曲が良いと思うんだよなぁ・・・。

さあ、気を取り直して「ザ・グレイト」です。
この曲に限らず、シューベルトの交響曲は番号の変遷が激しいことでも知られていますが、この曲も昔までは「第9番」でした(私もそのほうがしっくり来るのですが)。現在は版が改訂されて、第8番に落ち着いているようですが。
冒頭のホルン・ソロは、止まってしまいそうな遅さ。あ~、彼のブル7のように超激遅演奏になるのか、と思いましたが、その後は妥当なテンポで進んでいきます。楽章終盤で鳴り響くトロンボーンを敢えて抑えてしまった解釈には賛同できませんが・・・。

総論としては弦の厚みのあるサウンドをベースにした、堅牢な演奏だったのではないでしょうか。
ただ一点、第4楽章の最終音に記された記号(殴り書きなので判別が困難)を「アクセント」と解釈するか、「デクレシェンド」と解釈するかというのはちょっとした論点になりますが、何と上岡氏は完全にデクレシェンドと解釈。しかし美しく曲が閉じられたので、あまり尻すぼみといった印象は抱きませんでした。静かなホルン・ソロに始まり、デクシェンドで終結するのは、静に始まり静へと帰る、といった感じで何か一貫性を持たせているのかなぁ、とも思いましたが。

それにしても、上岡氏の指揮は歯切れが良いですね。体のバネを存分に活かして、指揮台で屈伸運動。棒さばきも実に弾力性があります。ただ、第4楽章で前面にでる楽器を次から次に指し示したりと、やや「暗譜してますよ」アピールが鼻についたきらいはありましたが。東京フィルも、今日は先述した弦をはじめ、各セクションが充実。見事な一体感を誇っていました。
今度はR.シュトラウス、マーラーあたりを聴いてみたいですね。独自の境地が聴けそう。

ではでは。