2011年7月25日(月) 18:30開場 19:00開演 @サントリーホール 大ホール

読売日本交響楽団 第540回サントリーホール名曲シリーズ

管弦楽:読売日本交響楽団
ピアノ:アレクセイ・ゴルラッチ
指揮:ワシリー・シナイスキー
コンサートマスター:デヴィッド・ノーラン

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
~ソリスト・アンコール~
ショパン:練習曲作品10-4

---休憩(15分)---

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番


昨日、今日ともにシナイスキー指揮のこの公演は完売だったのですが、いつもの通り18:00に行ったら予想通り学生券買えましたね。去年3月のMr.Sお別れ定期も行けば良かったと、つくづく後悔。

さて、今日の指揮のシナイスキーですが、あのスヴェトラーノフ亡き後のロシア国立響を引き継いだ人物だとのこと(あまり良い噂は聞いていないのですが)。ノン・タクトです。また、ソリストのゴルラッチは06年に浜松のコンクールにて優勝していますので、名前だけは知っていましたが、ナマは今回が初めてとなります。

本日はロシア名曲特集(そりゃまあ、名曲シリーズだし・・・)。

有名な「ルスランとリュドミラ」序曲で始まります。流石は読売日響、安定したアンサンブルで聴かせてくれました。テンポは気持ち早目といったところ。

続いてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。CDではピアノとオーケストラの音量調整が可能なのでバランス良く聴こえますが、ナマではオーケストラにソロが埋もれがち。特に当夜のシナイスキーは御構い無しに鳴らしまくる。
ゴルラッチのピアニズムは、リヒテルなどの泥臭さはなく、ツィメルマンに近いような洗練されたもの。適度に迫力があって、よく弾きこまれていることを伺わせました。特に一楽章の表現は素晴らしかった。アンコールのショパンでは、より冴えていた気がします。恐ろしいほどの指回りの良さ。

そして休憩後のショスタコーヴィチ!これが凄かった。
スヴェトラーノフら、ロシアの爆演系指揮者の系譜に続くような、しかしもっと悲痛な演奏でした。
第1楽章冒頭から物凄い緊迫感。こういう演奏が聴きたかったんだよ!と、思わず膝を打ちました。展開部に入ってからのシナイスキーの煽りも凄まじく、一瞬リズムを刻むトランペットと弦が乖離しかけた程。やがて爆発、行進曲部に入ると、そのトランペットが第1主題のパロディを奏しますが、ここも巧いばかりでなく、痛い!耳に突き立てられるようなサウンド。演奏の趣向にぴったりです。コーダ直前でティンパニが一拍早く入ってしまい、びっくりしましたが。
第2楽章では諧謔性は皆無で、ひたすらイン・テンポで邁進。冒頭の低弦は一層素晴らしかったですが、その後やや不安定になり、ヴァイオリン・ソロの音程がヘロヘロに。ノーランさんお疲れ様でした。
第3楽章も、悲痛な弦の響きに埋もれるかのよう。生で観ると、2群に別れたヴァイオリンの動きが良くわかります。また、フルート・ソロもお見事!
この悲壮感が継続するまま、ほぼアタッカで第4楽章へ。バーンスタインも真っ青の高速の開始で、ティンパニの岡田氏の完璧な打撃が興奮を呼びます。金管も痛烈で、トランペットのソロも見事の一言。フィナーレは耳をつんざく大音量で、やっぱり「痛い」・・・。一気呵成に集結。

シナイスキーは、この曲を勝利とは捉えず、作曲家が苦痛でのたうちまわる姿として描いたのだと思います。それにしても彼、カーテンコールではコンバスの所まで駆け寄って称えるなど、実に好印象でした。
彼の煽りに応え、豪壮な演奏を披露したオケも立派。普段より少し疵は多かったものの、これだけの熱演を聴かせてもらえれば文句ありません。

名曲シリーズでこの水準が聴けるとは思っていませんでした。読響、素晴らしかった。