2015/2/26
東京交響楽団 第627回定期演奏会
@サントリーホール

ヴォーン・ウィリアムズ:グリーンスリーヴスの主題による幻想曲
サラサーテ:スコットランドの歌
ブリテン:ピアノ協奏曲
~ソリスト・アンコール(ピアノ)~
ウィリアム・バード:森はこんなに荒れて
エルガー:交響曲第1番

ヴァイオリン:大谷康子
ピアノ:キット・アームストロング
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:水谷晃
指揮:秋山和慶

後半のエルガーが20時半から始まるという、長~い英国プロ。都響ならブリテンとエルガーではい終わり、というところだろうが、2曲も追加してしまう東響のサーヴィス精神というか。ただでさえ過密日程でお疲れだろうに。

一曲目のRVWは有名曲だが、実演に接する機会はあまりなく貴重。小編成の弦の響きの上にフルートとハープの郷愁あふれるメロディが重なり、ホールを独特の雰囲気が包み込む。続くサラサーテではオーケストラが拡大し金管も加わる。ソリストの大谷さんは言うまでもなく東響のコンマスとしていつも素晴らしいソロを聴かせてくれる素敵なヴァイオリニスト。オーケストラ内で聴く彼女のソロは本当に卓越していて、東響から一番キラキラした音を引き出すコンマスだと思う。ただ今回のサラサーテでは意気込みすぎたのか、少々ピッチや安定感に難のある箇所が・・・。普段の大谷さんを知るだけに少々歯痒い思いを抱いた。秋山さん指揮のオケは手堅く。
続いては若きブリテンによる力作・ピアノ協奏曲で、初演は作曲家自身のソロで演奏されている。ソリストのキット・アームストロングは7歳で大学レヴェルの数学を学んだという天才で、綿密に計算された(であろう)ペダルの踏み込みや左右の打鍵のバランスなど、大編成でよく鳴らすオケに一歩も負けない素晴らしい演奏を聴かせた。貫禄は流石にないものの、緩徐楽章での歌いこみも自然でよかった。秋山さんは錯綜する複雑なリズムを完璧に処理、申し分ないバックを務めた。
休憩後のエルガー1番はこれまた大作。誰とは言わないが、あまり棒の上手くない指揮者の演奏だと何をやっているかさっぱり分からないこともある曲だが、そこは秋山さん。気心知れた東響から分厚くもキレのあるサウンドを引き出した。1stと2ndが火花を散らすようなヴァイオリン群の攻め気味のプレイは見ごたえがあり、ほぼ完璧かつセクションとして目を見張るような厚みで聴かせたホルン群も大活躍。(その他の金管も勿論良かった)3楽章のしっとりした弦の歌では東響の合奏力が活きていた。終楽章終盤ではぐんとテンポを落とし、大見得を切る秋山さんの芸風も健在。特にこの曲には合っていて抜群の効果をもたらしていた。

これだけの素晴らしい演奏、客入りがいまひとつだったのは何とも勿体無い。指揮者生活50周年記念月間の締めくくりに相応しい、快心のエルガー1番だったのではないか。東響のスケール感・安定感も相変わらずだ。