2015/2/20
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第306回定期演奏会
@横浜みなとみらいホール

ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番
〜ソリスト・アンコール〜
ヴァイネル:2つの楽章より Barndance
チャイコフスキー:交響曲第2番「小ロシア」

クラリネット:アンドレアス・オッテンザマー
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:石田泰尚
指揮:川瀬賢太郎

ヒンデミット、ウェーバー、チャイコフスキーと多彩な「変奏・引用」プロ。神奈フィルのプログラミングはシンプルにして説得力があり、実に魅力的だ。
ベルリン・フィル首席クラリネットのオッテンザマーを迎えた協奏曲が今回の呼び物だったようだが、自分は寧ろ両端プロの素晴らしさが強く印象に残った。彼のクラリネットは非の打ち所がないのだけど、同じBPh首席フックスの温かく柔らかな音色に比べると分が悪いというか・・・。神奈フィルのバックはウェーバーらしい仄暗いサウンドと快活さを兼備。第2楽章のHr三重奏も味わいがあったが、もう少し木質の音が良かったかも。アンコールではオーケストラも参加してアグレッシヴで若々しい音楽を披露してくれた。なおオッテンザマー、今回の来日では体調が優れず、オケとの合わせはGP一回のみだった模様。にもかかわらず呼吸のズレは全く感じなかったが、これは川瀬さんの巧みな指揮の賜物だと思う。
前半一曲目のヒンデミットは間違いなく名曲なのだが、マイナーと言うほどではないにせよ演奏機会が多い曲でもない。(数年前にアルミンク/NJPの名演を聴いた)クーベリック/BRSOの来日ライヴ(Altus)、ブロムシュテット/SFSO(DECCA)など名盤は多いのだが・・・。神奈フィルの演奏はパワフルにして丁寧。第2楽章の伊福部音楽風の抒情も丁寧に再現され、特に木管の旋律の受け渡しは見事だった!神戸さんのティンパニも豪快に主題を刻む。
後半の「小ロシア」。(殺し屋が出てくるオペラを観た翌日に「コロシヤ」を聴くとはこれいかに。いや、なんでもありません)第2楽章冒頭のティンパニがマーラー「嘆きの歌」の「流這いの楽師」にしか聴こえなかったり、第4楽章の狂乱が後々のチャイコフスキーに比べてはるかにぶっ飛んでたりと、ツッコミ所の多い曲(笑)。だがその野趣溢れる魅力に一旦ハマるともう抜け出せない。川瀬さんは堂々たるテンポで全曲を構築し、おざなりに流される場面は皆無。両端楽章での気迫に満ちた追い込み、チャーミングな楽章のいずれも魅せた。終楽章のVn群による渾身のダウンボウには視覚的快感すら覚え、金管と打楽器陣が一段とパワーを増して大興奮のうちに締めくくられた。チャイコフスキーの前期交響曲はなるべく行くようにしているが、これほど充実した演奏を聴けるとは嬉しい限りだった。目一杯に鳴らしつつ統一感も保つとは、川瀬さん/神奈フィル、流石!

余談。演奏とは関係ないが、舞台下手側のNHKカメラが結構雑音を出していて、如何なものかと思った。放送されるのはありがたいのだけど・・・。