2015/2/18
都民芸術フェスティバル オーケストラ・シリーズ No.46 東京都交響楽団
@東京芸術劇場

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
〜ソリスト・アンコール〜
シューマン:子供の情景より トロイメライ
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

ピアノ:末永匡
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:矢部達哉
指揮:レオシュ・スワロフスキー

先週の調布公演に続きスワロフスキーが指揮。オール・ベートーヴェンで熟達の指揮を披露した。「皇帝」はCb4本とかなりオーケストラの編成を絞っての演奏だったが、聴こえてくるのは実に立派なサウンド。この編成でもここまで鳴るのか、と関心しているうちにピアノ独奏が華麗に入ってくる。今回のソリストはテンポ感が完全にオーケストラと噛み合わず、細かい走句の繰り返しでだんだん速くなっていってしまい、スワロフスキーがはっきりソリストを見て修正しようとしても完全に自分の世界に酔いしれて突き進んでしまった。単刀直入に言って協奏曲には全く向かないピアニストなのだろう。アンコールのトロイメライも自由なルバートを駆使した演奏で、こちらはそう悪いとは思わなかった。
堂々たるベートーヴェンを奏でたスワロフスキーと都響は何の非もないだけに気の毒。終演後、楽員の冷めた反応が全てを物語っていた。
休憩後の「田園」は14型に拡大。都響らしい解像度が高くきめ細やかなサウンドが最大限の美質として作用した。トゥッティにおける低弦の支え、1stVnと2ndVnの滑らかな掛け合い、広田さんのObに代表される木管群の瀟洒な独奏など、これを「いつものクオリティ」と言えるのは贅沢なこと。スワロフスキーは中庸なテンポで全曲を構築しつつ、リッチな歌を随所で引き出して聴き手を飽きさせなかった。第3・第4楽章の写実的な描写も素晴らしい。終楽章でのごく自然な呼吸の中での高揚は、指揮者とオーケストラの盤石な信頼関係をはっきり感じさせるものだった。

スワロフスキーのような、決して派手ではないがしっかりと音楽をつくる指揮者は貴重である。今後とも都響との関係の持続を願いたい。