2015/1/14
東京フィルハーモニー交響楽団 第90回東京オペラシティ定期シリーズ
@東京オペラシティ・コンサートホール

ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲
~ソリスト・アンコール~
カザルス:鳥の歌
ベートーヴェン:交響曲第7番

チェロ:堤剛
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:青木高志
指揮:阪哲朗

ドヴォコン・ベト7というベタなプログラム。終演も早かった。
大御所堤さんを迎えた協奏曲、オケの響きはなかなか膨らみがあっていい。阪さんの指揮は繊細かつ迷いがなく、ソリストに対する配慮も十全だ。ホルン・ソロもふくよかで素晴らしかった。しかし、肝心のソロは・・・。入りではそれほどではなかったが、オケと丁々発止で盛り上がる箇所になると音程の乱れがかなり気になった。堤さんが楽壇の重要なポストにあることや、弦楽器奏者としては高齢であることを引き合いに出したくはないが、なんとも音程が決まらず(悪い意味で)オケから浮き上がって聴こえてくるソロを聴いているとそういったことを勘ぐってしまった。本日の公演で35年間(!)務められた首席を辞されるチェロの黒川正三さんへのはなむけとして演奏された「鳥の歌」は滋味のある演奏。
後半のベートーヴェンは一切小細工なし、しかし楽曲のポテンシャルは最大限に引き出すという潔いスタンス。程よい重厚感で前へ前へ弾性豊かに進んで行き、指揮を含めてクライバーを連想させる。現代ドイツのオケはこういう演奏をしたがるのではないか?東フィルは阪さんの頻繁なキューに誠実に応えようとしていたが、楽節の結尾の揃えや管のソロの不安定さが時折見受けられた。弦の目一杯弾ききるサウンドはなかなか壮大だし、全体のバランスも決して悪くなかったのだけれど、東フィルのフィジカルの弱さが出てしまったように思う。お叱り覚悟で言えば、もうワンランク上のオケで阪さんを聴いてみたい・・・。
先述の黒川さんは終演後、楽団・聴衆双方から熱烈な喝采を浴びていた。コンマス青木さんの上気した表情が印象的だった。