December 14, 2014
2014/12/13 大野和士/都響のシベリウス
2014/12/13
東京都交響楽団 「作曲家の肖像」シリーズ Vol.100 《シベリウス》
@東京芸術劇場
シベリウス:レンミンカイネンの帰郷
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
~ソリスト・アンコール~
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番より アンダンテ
シベリウス:交響曲第5番
ヴァイオリン:三浦文彰
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:山本友重
指揮:大野和士
前半のレンミンカイネンの帰郷、オケはいきなりフルスロットルで気合十分、ただ指揮者・楽団共に力み過ぎた感も。続く三浦JrのVn協奏曲は正確な音程と美音。これだけ書くと何の魅力もないように見えてしまうが・・・充分に水準以上の演奏ではあった。深みとか有無を言わさぬ説得力はこれからだろう。オケは金管を豪快に鳴らし伴奏の域を超えた迫力、唖然。ちなみに名フィルでは初稿版を取り上げていたが、今回は改訂版。三浦Jrのシベコンは来年インキネン/日フィルでも聴くことができる!
後半の5番、やはり都響の機動力を存分に発揮した運動性の高い演奏。第1楽章終盤の追い込みは烈火のよう、2楽章の金管の咆哮もけたたましい。終楽章も朗々と響きが広がる感じではなく。都響は猛速テンポでも相変わらず破綻なく歌い込みも深い。方向性としてはC.デイヴィス/LSOのCDに近い。自分は北欧の指揮者・楽団以外が演奏するシベリウス(バルビローリ、前述のデイヴィス、ラトルetc.)は大好きだし、大野さん/都響に北欧オケ風の演奏を求めていた訳ではなかったので不満はない。ただ火の玉の如き演奏を聴きながら、一般的には好みが分かれるんだろうなという思いは頭をよぎった。