2014/11/30
東京交響楽団 第83回東京オペラシティシリーズ
@東京オペラシティ・コンサートホール

ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「黄金時代」
アルチュニアン:トランペット協奏曲
チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」
~アンコール~
スーク:弦楽セレナードより 第1楽章

トランペット:澤田真人
管弦楽:東京交響楽団
コンサートマスター:大谷康子
指揮:秋山和慶

数ある在京オケの中で、一際ふっくらと豊麗な音色を持つ東響。
そんな東響が、今日は秋山さんの迷いのない指揮の下、引き締まった硬質なサウンドを聴かせてくれた。トゥッティの鳴りも何時になく壮烈で、正直「ここまで変わるか!?」と思ったほど。改めて言うまでもないことだが、プロオケの柔軟性はほんとうに凄い。
冒頭ショスタコーヴィチの「黄金時代」、第3曲のポルカが突出して有名だが、他の曲も楽しく聴ける。ショスタコと体制との関係は勿論着目点の一つではあるだろうが、この曲に関しては純粋に音のアソビに酔っても怒られまい。ミュート付きトロンボーンのある種下品な表情など、笑いそうになった。
続いてアルチュニアンのトランペット協奏曲。ジャーマン・ブラスでも活躍するマティアス・ヘフスが山田和樹/都響と演奏した日本ライヴのCDがある。この演奏は圧倒的なクオリティで、さて今回は、と思っていたが首席Trpの澤田氏は唖然とするような技巧で魅せた。東響の高水準はこのような名手たちにより支えられているのだ、と再確認。素晴らしかった。
メイン・プロ、演奏機会の希少な「冬の日の幻想」(なんと東響の定期で取り上げられたことはないそうだ!)、まさに12月を目前としたこの季節に聴きたい名曲。彼のバレエ音楽にも通ずる洗練されたメロディが美しく、冬のピーンと張り詰めた大気に差す一筋のやわらかな光のようだ。演奏が変に甘すぎなかったのも曲想に合致していてよかった。第2楽章ではOb荒さんのソロに身を委ね、スケルツォと終曲では小気味よいリズムに胸が躍る。4楽章ではトランペット群が痛快なほどの強奏。(余談だが、この曲のスケルツォがブルックナーの初期交響曲のそれに聴こえるのは自分だけだろうか?木管の明滅に弦が細かく応答し膨らんでいくあたり、とても似ている。調性もいかにもといった感じだし)

秋山さんと東響、流石に年輪を感じさせる抜群の関係。次はエルガーの1番、本当に凄い演奏になりそう。今から楽しみだ。