2014/10/10
サントリーホール スペシャルステージ 2014 五嶋みどり
協奏曲の夕べ
@サントリーホール

J. S. バッハ:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052R(チェンバロ協奏曲 BWV1052からの復元)
シュニトケ:ヴァイオリンと室内オーケストラのためのソナタ(1968)
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
J. S. バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調BWV1042

ヴァイオリン:五嶋みどり
指揮:ヘルマン・ボイマー
コンサートマスター:西江辰郎
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

怒涛の五嶋みどりシリーズ@サントリーホールの最終回、新日本フィルとの協奏曲の夕べを聴いた。

当初はバッハ→ベルク→シュニトケ→バッハの順とされていたが、会場に赴くと変更の告知が。中間2曲が入れ替わった形だ。

自分は変更後の方が至極まっとうに思える。前半に編曲ものが並び(バッハはチェンバロ協奏曲から、シュニトケはVnソナタから)、後半に最初からヴァイオリン協奏曲として書かれた作品が並んですわりがいい。その上、バッハがたおやかに終わった後、ある種新古典主義ふうのシュニトケが全く同じ編成で(チェンバロも用いられる!)始まるのはなかなかシュールだ。そして、休憩後のベルクの協奏曲で終盤にバッハ作品に登場するコラールの一節が引用されて静謐に終わった後、バッハ作品で締め括るというのもセンスが実によい。難しいかもしれないが、バッハ→シュニトケ・ベルク→バッハを間髪入れず演奏すればより効果的だったかも。(このプログラムを『綺麗なアーチ構造』と評された、音楽評論家・奥田佳道さんのお言葉を引用させていただきたい)

演奏には概ね満足だったが、正直シュニトケとベルクにリハーサル時間の大半を割いたのではないかと思ってしまった。バッハ作品はいかなるジャンルにおいても難しい。
伴奏の新日本フィルは作曲年代に200年以上の開きがある4曲で柔軟な演奏を聴かせてくれた。あまり音量の大きくないみどりさんのソロに配慮して最強音でもmf程度だったのも、全体を通してソット・ヴォーチェという印象に繋がり、悪くなかった。指揮のヘルマン・ボイマーは元ベルリン・フィルのTrb奏者であり、なんとなくベルクでこそ適性を発揮するかと思っていたのだが、結果は全く正反対。バッハとシュニトケでは最小限の振りで小気味よい粋な伴奏を作ったが、ベルクではスコアを追うのが精一杯のようで深い呼吸に欠けていた。

色々書いたが、このわずか数日間で実に多彩な活動を展開された五嶋みどりさん、お疲れ様でした。無事にお子さんを出産されますように。