2014/6/20
新日本フィルハーモニー交響楽団 第526回定期演奏会 <All Brahms vol.2>
揺らぐ、沁みる…ハーディングのブラームス4番
@すみだトリフォニーホール

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:交響曲第4番

ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:ダニエル・ハーディング

ブラームス・ツィクルス第2回、Vn協奏曲のソリストはあのI.ファウストという豪華さ。超辛口のファウストに対し、負けじと鋭く切り込む指揮者とオケの一体感が素晴らしい。その中で第2楽章では古部氏の柔らかなObが全体に波及し、束の間の安らぎを醸し出した。だが、ファウストが到達した恐るべき境地を強く認識させたのはアンコールのサラバンド。ヴァイオリン一挺で宇宙と対話するかの如き透徹した世界。このヴァイオリニストはどこまで行ってしまうのか、末恐ろしくなった。次回客演があれば是非バルトークをお願いしたい。
 
後半は第4交響曲。ハーディングは前回の2,3番同様かなり細部の彫琢を行い、と同時にオケの自発性も十全に引き出した見事な指揮。されど現れた音楽は前回とはだいぶ異なり、熱く濃厚。ハーディングの思惑と曲が完全に合致し、またオケもフルスロットルになった後半楽章には感銘を受けた。ただ、この曲にはどうしても酸いも甘いも噛み分けた枯淡の味わいを求めたい。特に前半楽章は才気と爆発力では解決できない要素を多分に含んでいると思うので、客席で聴いていて若干の物足りなさが残った。無い物ねだりではあるが、50代になった彼がどんなブラームスを聴かせるのか、俄然興味がある。