2015/4/18
日本フィルハーモニー交響楽団 第306回横浜定期演奏会
@横浜みなとみらいホール

シベリウス:組曲「カレリア」
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
〜ソリスト・アンコール〜
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より サラバンド
シベリウス:組曲「レンミンカイネン」

ヴァイオリン:三浦文彰
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:扇谷泰朋
指揮:ピエタリ・インキネン

開演前に奥田佳道先生のプレトークで触れられていたのだけれど、第2曲として知られる「トゥオネラの白鳥」はもともと第3曲に置かれていたらしい。評論家の酷評やら幾度にも及ぶ改訂を経て第2曲になったのだとか。今回インキネンはトゥオネラを第3曲として演奏。後半の比重が軽くなってしまうような感はあるけれども、これはこれであり。

それにしても、演奏機会が多くないレンミンカイネン全曲をこのコンビで聴けたのは本当に幸運だった。これまたプレトークで奥田先生が「シベリウス芸術の最高の形」と仰っていたのはまさにその通りで、シベリウスが長年取り組んだ叙情詩「カレワラ」への想いを純音楽ながらもひしひしと味わうことができた。日フィルはHrの要を抜かれても好調を維持、弦は豊かな共感を表出してザラッとした独特の味わいある音色。インキネンは花粉で目をやられたとかで眼鏡を掛けて振ったが恐らくこれまで聴いた中で最も共感に満ちた熱い熱い指揮を展開、やはり血が騒ぐのだろうか。下から振り上げるいわゆるティーレマン型のどじょう掬い振りが見事にハマっていて、「レンミンカイネンの帰郷」での歓呼は本当に感動的な瞬間だった。来て良かった!!

前半の「カレリア」では冒頭調子がいまひとつだったけれども、歯切れよいリズムをベースにしなやかなサウンドを味わった。「行進曲風に」は昔から大好きな曲だけにナマで久々に聴けてニンマリ。ヴァイオリン協奏曲では昨年末に大野さん/都響をバックに弾いた三浦Jrの独奏だったけれども、あの時から進化した音の深み・低音部の骨太さを聴かせてくれて驚いた。12月よりピッチは甘めだったけれども、表現の意志を強く感じた今回の方が自分はずっと好み。インキネン/日フィルのバックは、伴奏というには大規模すぎるオーケストラをしっかりと語らせ、ソリストを引き立てつつ丁寧に音楽を作っていった。特に弦の超弱音などは静謐そのもので、ヴァイオリニストでもあるインキネンの繊細さが遺憾なく発揮された見事なコンチェルト演奏だった。

ここからは完全に余談。

当日券列、自分のすぐ前に外国人のご夫婦が並んでおられた。列が結構長かったので、並んでいる間にプレトークが始まる旨の呼びかけが始まり、ご夫婦がオロオロしていた。きっと開演のアナウンスと勘違いして焦っておられるのだろうと思って心配はいらないことをお伝えした。それを契機に軽くお話して、席選びでも自分のオススメのブロックを推させて頂いた。結局自分もご夫婦のお隣に席を取り、開演前と休憩中に音楽話で盛り上がった。
ご夫婦はスイスの方で、東京には観光で数週間滞在されているそう。お茶したくて横浜を散歩していたら演奏会を偶然見つけたのことだった。映画にフラっと行く感覚でコンサートに立ち寄るのが如何にもヨーロッパ人らしいお洒落な感覚だな、と思った。とはいえお二人ともインキネン、三浦Jrのことをご存知だったので結構な通かも。日フィル・ロマンド管にポストを持つ山田和樹の話題で喜んでくださり、今日の演奏にも満足げだった。
ここで一つ思ったのが、東京は紛れもない国際都市なのだから、そろそろ日本のオケを聴きに来られる海外のお客様へ更なる配慮があって然るべきだということ。券の購入などは問題ないだろうが、海外の方がプログラムの中で演目しか読めないのは少々お気の毒。プレトークは流石に日本語以外はムリだろうけど。