2015/7/30
フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2015 読売日本交響楽団
@ミューザ川崎シンフォニーホール

~プレ・コンサート~
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲より 第1楽章

ヴァイオリン:ダニエル・ゲーデ、對馬哲男、肥田与幸、太田博子
ヴィオラ:柳瀬省太、渡邉千春
チェロ:唐沢安岐奈、室野良史

メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
~ソリスト・アンコール~
J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番より アダージョ

メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

ヴァイオリン:ヴェロニカ・エーベルレ
管弦楽:読売日本交響楽団
コンサートマスター:ダニエル・ゲーデ
指揮:ジェレミー・ローレル


真夏に聴く演奏会として、オール・メンデルスゾーン・プログラムという選択肢はまことに爽やかで良い。今回の読響はプレ・コンサートまでオクテットの第1楽章で統一する徹底ぶりだった。若手奏者が担った中低音域が雄弁な演奏で、聴きごたえがあり本プロへの期待を高める。

古楽好きなら知らない人のいない巨匠、ウィリアム・クリスティに師事したというジェレミー・ローレルは、自らが創設した古楽器オケをも持つ若手指揮者。これは自論だが、古楽畑の指揮者とメンデルスゾーンは総じて相性がすこぶる良い。パイオニアとしてはWPhと優れた名盤を遺し、LSOとの再録音(弦楽器の一部奏者は立奏!)も好調なガーディナー、一番若い世代だとフライブルク・バロック管のエラス=カサドだろうか。アーノンクール御大はよく知らない。
その例に漏れず、ローレル/読響が提示したメンデルスゾーンも大変面白く聴けた。ピリオド寄りのアプローチを想像していたが、思いの外オケ寄りに折衝点が置かれた様子で、モダンオケの厚みを活かした演奏になっていたのは面白い。ローレルは無声音を発しながら忙しなくオケに指示を出すが、コントロールというよりは総じてオケが自発的に音楽を作っているという印象を受けた。(その溌剌とした自発性を引き出したかったのかもしれないが)

ヴァイオリン協奏曲は今回もっとも感銘を受けた。ソロのエーベルレはナマでは初めて聴くが、前評判の通り素晴らしい。肉厚な美音を振りまきながらオケをリードする場面も見せつつ、表情豊かに音楽を紡いでいく。特に第2楽章での木管群との語り合いはまさに「協奏」の醍醐味で、オケの水準の高さも確認できた。ローレルはソリストを立てることに注力し、響きのバランスという点では問題なかった。

読響の硬軟取り混ぜた柔軟な対応により、ローレルのデビューは成功裏に終わったようだ。ただ一つ彼に苦言を呈するなら、前髪はどうにかしたほうがいい(苦笑)コンチェルトで二桁以上髪をいじっていたが、本人も邪魔だと思っているのかしらん。

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