2015/8/2
東京都交響楽団 「作曲家の肖像」シリーズ Vol.104 《イギリス》
@東京芸術劇場

ブリテン:青少年のための管弦楽入門(パーセルの主題による変奏曲とフーガ)
ホルスト:組曲「惑星」

女声合唱:東京混声合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:矢部達哉
指揮:エドワード・ガードナー

7〜8月で演奏機会が集中している「惑星」。新日フィル、東響、読響、そしてこの都響が次々と取り上げ、この日は都響@芸劇と新日フィル@ミューザが重なる日。都響はほぼ満場の入りだったが、ミューザはどうだったのだろう。

ブリテンとホルストを取り上げる「英国特集」というのもやや意外な感じがする。エルガーやヴォーン・ウィリアムズは?アーノルドは?ティペットは?と言い出せばキリがないのだが。

一曲目の「青少年のための管弦楽入門」は、よく知られた作品ながら実演では滅多に聴く機会がない曲。クラシック入門といった位置付けのコンサートで解説付きで演奏されることがあるが(山本直純さんを思い出す)、今回は解説なしで切れ目なく演奏された。各変奏の描き分けが意識的に行われていることから考えると、純管弦楽作品である「パーセルの主題による・・・」としての側面をより強く感じた。都響は弦・管・打のどこが突出することもなく、ソロ、トゥッティともに滑らかに繋がる。最後のピッコロに始まるフーガも虚仮威し的にならなかったのはガードナーの見識か。

続く「惑星」は言わずと知れた超有名曲だが、ブリテンと同じく頻繁に掛けられる演目ではない。大編成を必要とする共通項で括れる二曲を続けて聴くと、第一次、第二次の違いはあれど戦争との密接な関係を感じる。案外深いプログラミング意図だったのかもしれない。
ガードナーはブリテンにも増して力漲る指揮で聴衆を驚かせた。Chandosレーベルの録音での英国紳士然とした音楽からすると少々予想外な、多少粗くても音楽の力感を優先するというスタンスの持ち主なのか。それに応える都響は莫大なエネルギーを発揮。「火星」にこれほどの爆発性を感じたのは、初めてこの曲を聴いたメータ/LAPO盤以来かもしれない。かといって、力で押すばかりではなく、「金星」「土星」の艶やかな弦からは都響特有の美質が感じ取れた。終曲「海王星」の女声合唱(下手舞台袖)も芸劇の広大な空間に神秘的に響く。

都響と英国音楽の相性の良さは、昨年のブラビンズで確認済みだが、ガードナーとも良い関係を築けるのではないか。オペラ指揮者として活躍する彼、繋ぎ止めて欲しい。