2015/11/14 マテウス/N響 マーラー、チャイコフスキー2015/11/15 音大オケフェスティバル2015 上野学園大学&東京藝術大学

November 15, 2015

2015/11/15 ニキティン/東響 モーツァルト、チャイコフスキー

2015/11/15
東京交響楽団 モーツァルト・マチネ 第23回
@ミューザ川崎シンフォニーホール

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より
序曲
セレナード「窓辺においで」
アリア「シャンパンの歌」

チャイコフスキー:組曲第4番「モーツァルティアーナ」


~アンコール~
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲


ヴァイオリン:グレブ・ニキティン
バリトン:甲斐栄次郎
管弦楽:東京交響楽団

コンパクトなプログラムながら良質な演奏で評判の東響×ミューザ川崎「モーツァルト・マチネ」、今回は指揮者なしということでコンサートマスターのニキティンを中心に演奏された。

ノット監督がいなくてもオーケストラは対向配置、すっかりそのメソッドが染み付いているのかも。10-10-8-6-4だったと思うが角度的にはっきり見えなかったので自信はない。
冒頭の「ドン・ジョヴァンニ」序曲、ニキティンはコンマス席からいつもよりやや大き目の身振りでオーケストラをリード。ややサウンドにざらつきが感じられたが、闊達な表情はすばらしい。その後、バリトンの甲斐さんを迎えて「シャンパンの歌」と有名なセレナードが演奏されたが、演奏時間はたったの5分ほどで勿体無い。というか物足りない。演奏自体は甲斐さんらしい堂々たるもので、 どちらかというと長めのフレーズで構成されているセレナードで朗々と美声を振りまいた感があった。口角泡を飛ばす「シャンパンの歌」は悪くなかったけれども、早口になるとどうしても響きが浅くなってしまう。なおオーケストラにはマンドリンも加わりリラックスした表情。

続くチャイコフスキー「モーツァルティアーナ」、文字通りモーツァルトに魅せられたチャイコフスキーによるオムニバス的作品だ。途中「アヴェ・ヴェルム・コルプス」のリスト編曲を元に作られた曲も入っており、モーツァルトの清冽な美しさとチャイコフスキーのしっとりした哀感が合わさってなんとも言えない魅力がある。
ここではニキティンはまず指揮者として登場し、 ヴァイオリンを左側の台に置いて自らは立って指揮に専念する。モスクワ音楽院のヴァイオリン科を卒業した後、再度入学して指揮をも修めたニキティン。決して流麗ではなかったが堅実にオーケストラを導いて水準以上の演奏となった。ヴァイオリン・ソロを交え弾き振りするのは見た目にも華やかだ。演奏後の彼の腰の低い姿勢は、オーケストラとの絆の確かさを感じさせた。

最後にはアンコールということで、再びニキティンがコンマス席に戻り「フィガロの結婚」序曲。尻上がりに合奏のクオリティが上がってきた今回のマチネだが、その成果はこの一曲に結実。すばらしく魅力的なフルート、オーボエ、ファゴットなどの充実に加え、精緻な弦の魅力がホールいっぱいに響く。東響の変わらず高い合奏能力、モーツァルトに対する確かな適性を感じたよい公演だった。 

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takupon68 at 13:00│Comments(0)TrackBack(0)公演評 

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