2015/11/29
オッコ・カム指揮フィンランド・ラハティ交響楽団
生誕150年記念 シベリウス交響曲サイクル[3]
@東京オペラシティ・コンサートホール

シベリウス:交響曲第5番
シベリウス:交響曲第6番
シベリウス:交響曲第7番
~アンコール~
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
シベリウス:ある情景のための音楽
シベリウス:交響詩「フィンランディア」

管弦楽:ラハティ交響楽団
指揮:オッコ・カム

カム×ラハティ響のシベリウス・サイクル最終日。今年3度も聴くことになる567を並べた演奏会の2回目となった。

カムは答礼して椅子に腰掛けるなりすぐに冒頭を振り出し、霧がかかった情景が現れる。有名な鐘動機を奏するホルンのバランスは4人でばらばら、跳躍があるトランペット・ソロもやや危なかったりと、ラハティ響は技術的には在京オケの後塵を排している。しかし何度も書いたように、シベリウスと同じ言語を解する強みは持っている。それにアンサンブル精度は徐々に向上し、第3楽章は入念に作り込みで弦の細かな走句の積み重ねもよく聴こえてきた。最後の終結も素晴らしい。

第6番では冒頭からこれまた雰囲気満点、清涼感ある弦の音色がオペラシティを包む。カムの飾らない音楽はこの無垢な交響曲に合っており、野趣に富むスケルツォと柔らかな響きの対比がブルックナーのよう。
軽く答礼を挟んで演奏された第7番では、一転して暗めの響きで押す。シベリウスの告別とも言える深遠な抒情詩を一筆書きで描くカムの棒に、オーケストラが一層よく応えた。

三日間の感謝を告げるような聴衆の熱狂に応え、アンコールはやはり3曲。それも名品アンダンテ・フェスティーヴォで始められた。これがまた絶品で、冒頭から素晴らしい弦の厚み、自然な情感が溢れる。尾高さん/札響で聴いた時の内面的な熱さとも異なる、よりストレートな演奏だった。「フィンランディア」はもはやアナウンス無しですぐにスタート、万感の思いが込められた豪快な演奏に客席はスタンディング・オヴェイション。客席ではかつてのラハティ響シェフ・ヴァンスカが温かくカーテンコールを見守っていた。喝采鳴りやまず、やがてカムとオーケストラ・メンバーがステージに呼び戻されてお開きとなった。

三日とも印象が異なる面白いサイクルだった。ザラリとしたローカルな音色、楽しみました。