2016/2/28
東京都交響楽団 プロムナードコンサートNo.366
@サントリーホール 大ホール

ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
ドヴォルジャーク:弦楽セレナード

チャイコフスキー:イタリア奇想曲
ラヴェル:ボレロ

管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:四方恭子
指揮:大野和士 

音楽監督・大野和士がプロムナードコンサートに登場。この演奏会は前日のいわきプロムナードコンサートとの共通演目である。東日本大震災の後避難所になっていたいわきアリオスで、震災以来初めて実現した公演がギエムの「ボレロ」だったらしい。いわきの人々にとって特別な曲となった「ボレロ」を是非大野さんと都響で、という趣旨で曲目が決定したそうだ。

オーケストラは全曲14型。ベルリオーズ「ローマの謝肉祭」は冒頭から華やかで、フランスオケに比べると流石に強奏の力づく感はあるが充分豊麗な響き。タンブリン2対(倍タン?)で軽やかさも加わる。
ドヴォルジャーク「弦楽セレナード」は都響自慢の弦5部がブンブンと唸り重厚だが、この曲では感情の移ろいで魅せて欲しかったという思いも。本来は指揮者なし、もっと小さな編成で慈しむような響きを求めたいところだ。だがラルゲットの愛おしさは素晴らしかった。クオリティの高さは間違いない。

チャイコフスキー「イタリア奇想曲」は冒頭のファンファーレに続くロシアの旋律において、大野さんお得意の構えの大きなアプローチが功を奏した。こういった深刻な表情の音楽は、彼が最も得意とするところではないか。自在な伸縮が終結に向けて音楽の密度を高め、都響もよく付けた。
そして、スネアはじめ各奏者の自発性が遺憾なく発揮された「ボレロ」は圧巻。これを聴けただけでも収穫だ。前半は殆ど指揮者は振らないので、必然的にスネア・ドラムのテンポ感が曲の進行を左右することになる。西川さんのスネアは安定感抜群、次々と立ち現れるソロ群は皆さん達者で素晴らしい。どのセクションも難所だが、特にトロンボーンの小田桐さんは年齢を感じさせない甘くふわりとした音色。最後の最後で一瞬ヒヤリとしたが、実に美しいソロだった。このソロを超えてから輝きだす弦楽器は、弾力性あるフレージング。都響の水準の高さを見せつけた「ボレロ」だった。

この演奏会では、大野さんならではという箇所は上述した「イタリア奇想曲」位だろう。客席が意外と大人しかったのも何となくわかるような気がする。