2016/3/8
ホクレン クラシック スペシャル 2016 札幌交響楽団東京公演
@サントリーホール 大ホール

スメタナ:連作交響詩「我が祖国」より シャールカ
ドヴォルジャーク:弦楽セレナード

チャイコフスキー:交響曲第4番
~アンコール~
ドヴォルジャーク:スラヴ舞曲 ホ短調 Op.72-2

管弦楽:札幌交響楽団
コンサートマスター:田島高宏
指揮:ラドミル・エリシュカ

昨年の東京公演(尾高さんのシベ5-7番)も素晴らしかったが、今年も五臓六腑に沁み渡る演奏を聴けて満足。エリシュカとこのオーケストラの関係がかけがえのないものであることを強く認識した。

前半のスメタナ「シャールカ」、ドヴォルジャーク「弦楽セレナード」は老匠の十八番。最小限のアクションで抜群の説得力を持つ。「シャールカ」終結部でもテンポを上げて煽ることはせず、音楽の緊張感を強めていく手腕はエリシュカならではのものだろう。札響の弦は典雅に響き、特にドヴォルジャークではアップボウで独特のザラリとした美しさがしばしば聴かれた。技量でいえば先日聴いた大野さん/都響には適わないのだが、味わいはこちらの方が断然勝っていた。行間の情報量、自然体の強みだ。冒頭からなんという深い音だったことか―。

チャイコフスキー「交響曲第4番」は楷書にして力強く拳を握り締めるような熱演。フォルムを堅実に維持しながらも自ら殻を破る、熱い決意を感じさせる指揮に目が釘付けになった。前半の「シャールカ」でもこの特徴は時折聴かれたが、運命の激情を起伏豊かに奏でるチャイコフスキーではより明らか。オーケストラのメンバーが互いをよく聴き合うという大前提はアナログな合奏を可能にし、予定調和でない音楽として結実した。これはきっと名ホールとして名高いKitaraがもたらした果実でもあるのだろう。ホールがオケを育てる例として、東響と並ぶ見事な成果と感じた。 アンコールのスラヴ舞曲の後はマエストロが単独で呼び戻され、本人も余程嬉しかったのか半分着替えた格好ながらホール中に謝意をふりまいていた。マエストロ、お元気で!