2016/7/2
日本フィルハーモニー交響楽団 第319回横浜定期演奏会
@横浜みなとみらいホール 大ホール

ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲
~ソリスト・アンコール~
カザルス:鳥の歌

ドヴォルジャーク:交響曲第8番
~アンコール~
ドヴォルジャーク:スラヴ舞曲第10番

チェロ:辻本玲
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:扇谷泰朋
指揮:アレクサンドル・ラザレフ

ラザレフ/日フィルの怒涛の共同作業も、いったんこの7月で一区切り。桂冠指揮者・音楽顧問としてこれからも引き続き日フィルと篤い関係は続くわけだが、シェフのバトンは現首席客演指揮者のピエタリ・インキネンに渡る。最後のサントリー定期の前に行われた横浜定期では、ラザレフにしてはかなり正面切った名曲プログラム。ラザレフ将軍のドヴォルジャーク、想像が付くような付かないような。

名曲中の名曲、チェロ協奏曲でソロを弾いた辻本玲さんは日フィルのソロ・チェロ奏者。盤石の信頼を置くであろうオケをバックに、しなやかでフレーズの綾の巧さが光る演奏を繰り広げた。第3楽章中盤の男泣きのようなフレーズが心に沁みる。ラザレフの伴奏は、一切妥協ない厳しい構築が彼らしい。それほど高頻度dw振っている曲でもないだろうに、実にスムーズなバックだ。ソロに配慮しながらもここぞという箇所では大胆に鳴らすし、一方で弱音はふわりと着地する。低音を増強したオケは実によく鳴り緻密だった。アンコールはカザルスの「鳥の歌」。(最近あまり演奏されないような気がする)

休憩後、交響曲第8番は爆演ならぬ「猛演」と言うべき燃焼度の高さ。第1楽章からロシア音楽ばりに鳴らしたと思えば、第2楽章ではピンと張り詰めた最弱音を駆使、起伏大きな表現に耳をそばだてることになった。激烈な第4楽章の締めくくりにも沸いたが、アンコールのスラヴ舞曲第10番と第3楽章における日フィルの五弦の大躍進は凄い。ラザレフがこのオーケストラを叱咤激励して植え付けた音色のうち、情緒的な濃さをもつ弦は日フィルにとってこれからも大きな財産になるだろう。