2016/7/9
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 音楽堂シリーズ 第9回定期演奏会
@神奈川県立音楽堂

バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調Hob.VIIa:1

ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」

ヴァイオリン:郷古廉
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:石田泰尚
指揮:川瀬賢太郎
 
ハイドン+近現代の作品を併せて提供することにより、ハイドン作品の不変の新鮮さをも客席に認識させている神奈川フィルの音楽堂シリーズ。今回も「オーストリア=ハンガリー」が時代を超えて繋がる好対照プログラムだ。

バルトークの「弦楽のためのディヴェルティメント」、以前小澤征爾指揮による奥志賀アカデミーの演奏で後半楽章を聴いたことがあるが、日本人に親しみやすい曲の一つではなかろうか。中央ヨーロッパのアプローチよりは少し民俗色が強く、それでいて緊密な書法で書かれていることは疑いようがない。今回は小編成で精鋭揃いの弦楽が緻密で、川瀬さんの指揮も情熱的でダイナミック。滾る律動が腹にズンズンと響く。
ハイドンのヴァイオリン協奏曲は郷古廉さんの独奏が天性の表情豊かさで魅せ、冒頭こそ少し走ったがその後は素晴らしい。オケと常に対話しつつ、自発的に音楽を作っていった。

後半はハイドンの第92番「オックスフォード」。入場して来る団員に混じって、後方プルトには郷古さんの姿があるではないか。登場したマエストロ川瀬もポンと郷古さんの肩をひと叩き。演奏はピリオド要素皆無ながら実に鮮烈、意表をつく転調や期待を高めるパウゼなど、いかにハイドンが巧みな音楽演出家であったかを再認識させるものだった。トランペットの信号的な強調など、溌剌と音楽を紡いだ川瀬さんはやはり華やかな存在感だ。ソリスト&トゥッティ奏者としてしっかり参加していた郷古さんも素晴らしかった。