2016/9/17 ゲッツェル/神奈川フィル ゴルトマルク、マーラー2016/9/18 東京二期会「トリスタンとイゾルデ」(ロペス=コボス/読響)

September 17, 2016

2016/9/17 東京二期会「トリスタンとイゾルデ」(ロペス=コボス/読響)

2016/9/17
≪東京二期会オペラ劇場公演≫
リヒャルト・ワーグナー 『トリスタンとイゾルデ』オペラ全3幕
@東京文化会館 大ホール

ヴァーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(全3幕/ドイツ語上演/字幕付)
(第3幕のみ鑑賞)

演出:ヴィリー・デッカー
トリスタン:福井敬(テノール)
イゾルデ:池田香織(メゾ・ソプラノ)
マルケ王:小鉄和広(バス)
クルヴェナール:友清崇(バリトン)
メロート:村上公太(テノール)
ブランゲーネ:山下牧子(メゾ・ソプラノ)
牧童:秋山徹(テノール)
舵取り:小林由樹(バリトン)
若い水夫の声:菅野敦(テノール)
合唱:二期会合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団
指揮:ヘスス・ロペス=コボス



この日は神奈川フィルをみなとみらいで聴いてから上野に移動したため、第3幕からの入場。どちらも行かないわけにはいかず、ゲッツェルを見送った後に池田さんのイゾルデを再び観に来た。勿体無いのは重々承知である。

先日(11日)に既に観た演出であるが、第1幕・第2幕で感じられた海の荒々しさや生命の息吹きは消え去り、それに伴って舞台からも色彩が去っている。どこか水墨画を思わせる舞台装置は哀しくも美しい。どうでも良いが、次幕の背景が壁の隙間から見えている(敢えて見せている?)のは丁寧すぎるというか、こちらが想像をめぐらす余地がないというか。
自分が入場すると、公演監督がトリスタン福井さんの体調不良を告げた。出演するが、カヴァーキャスト(菅野敦さん)が歌を担う可能性があると。結果的には、常々の輝きには欠けるものの、クルヴェナール友清さんとの荒々しい応酬含め十分に力強い演技と歌で演じ通した。ご本人は本意ではないだろうが、息絶える寸前のトリスタンの憔悴とどこか重なるようにも感じられた。やはりヴァーグナーを歌うというのは、福井さん程のスタミナを持つ歌い手にとっても並大抵のことではないのだろう。池田さんのイゾルデは今日もオケに負けぬ強靭な美声で涙。一週間ぶりに再びピットに入ったロペス=コボスと読響は、第3幕を聴いた限りでは少々荒っぽいところもあったように思うけれど、先週と変わらぬダイナミックな音を鳴らしていた。サントリーホールでの演奏会も挟んでのトリスタン4発、指揮者(結構な御歳のはずだが!)もオケも大したエネルギーである。

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takupon68 at 22:00│Comments(0)TrackBack(0)公演評 

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