2017/7/14
新日本フィルハーモニー交響楽団 第576回定期演奏会
@すみだトリフォニーホール

イベール:寄港地
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」
~ソリスト・アンコール~
サティ:ジムノペディ第1番

ショーソン:交響曲

ピアノ:パスカル・ロジェ
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:西江辰郎
指揮:秋山和慶

7月のトパーズ(トリフォニー・シリーズ)は、2015年久々に新日本フィルの指揮台に立った秋山和慶が再客演。実に40年ぶりの再会であった2015年の演奏会におけるストラヴィンスキー特集では、明晰な棒と構築を示した名匠。今回は有名ながらなかなか聴けないフランス作品で、やはり鮮やかな音楽を聴かせてくれた。イベール「寄港地」から弦のさざめきと明朗な管が華やかな快演。続くサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」では、ロジェの力強くも流麗な打鍵に名匠の棒が完璧に付ける。ロジェのアンコールはサティ「ジムノペディ第1番」。誰もが知る名曲だが、繊細な美が凝縮された幸せな数分間であった。メイン・プロのショーソン「交響曲」、ここでは秋山氏の至高の指揮芸術の凄さをひしひしと味わう。曲中ののいかなる場面にも、絶妙なフレーズの綾が織り込まれているのだ。ドイツ的な厳粛さとラテン的な精神の解放の間を揺れ動く当曲において、愚直なまでにその揺れ動きを表出してみせた結晶化的な名演と感じた。私事で恐縮だが、あまりの見事さに翌日の公演も「おかわり」してしまった。フランキスト的側面・ワーグナーへの傾倒・フランス人として抑え難く発露するもの―諸々の要素が実に丁寧に扱われており、それらが美しいショーソンの語法へ昇華していることを痛感する体験であった。迷いなく、真摯に奏したオーケストラは本当に素晴らしい。