2017/9/29
新日本フィルハーモニー交響楽団
ルビー〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉 #9
@すみだトリフォニーホール 大ホール

グレイス ・ウィリアムズ:シースケッチ
エルガー:チェロ協奏曲
~ソリスト・アンコール~
カタロニア民謡(カザルス編曲):鳥の歌

ウォルトン:交響曲第1番
~アンコール~
エルガー:創作主題による変奏曲「エニグマ」より ニムロッド

チェロ:山崎伸子
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:崔文洙
指揮:尾高忠明

「ルビー」では我が国屈指の名指揮者・尾高忠明がお得意の英国作品を引っさげて登場。知られざる女流作曲家グレイス・ウィリアムズ「シースケッチ」は平穏ながら、5弦の細やかな伸縮で巧妙に味付けがなされていた。続くエルガーの名作「チェロ協奏曲」でも、山崎伸子さんの独奏を受け止め、確実にその音楽を全体に波及させる指揮の技が聴きもの。内向きで静かに燃える音楽が濃い。オーケストラと独奏の呼吸という点では、翌日改善されたのではないか(筆者は1日目を鑑賞)。後半はウォルトンの「交響曲第1番」。通常2管編成とは思えぬ色彩と圧巻の音響が輝かしい名曲だが、各地の楽団で名演を繰り広げてきたマエストロの棒(タクトはないが!)は実に雄弁かつ的確だ。リズムが複雑で、かつ弦はのべつ弾きまくり・管も難所満載の難曲だが、英国音楽の権威たる名匠に率いられ大健闘。この日の尾高さんには、美点である端正さはそのままに、音楽の随所で大胆な解放を感じた。ますます充実を深める名匠に今後も期待。アンコールには十八番のエルガー「ニムロッド」、この曲に関しては、2011年の震災直後に尾高さんが振った演奏がどうしても思い出される。その淡々とした中にも重厚な祈りがこもる音楽に落涙必至。いい演奏会だった。