2017/10/14
新日本フィルハーモニー交響楽団 第579回定期演奏会
@サントリーホール 大ホール

ニールセン:序曲「ヘリオス」
グリーグ:ピアノ協奏曲

ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」
~アンコール~
ロンビ:シャンパン・ギャロップ

ピアノ:清水和音
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:崔文洙
指揮:上岡敏之

新日本フィル10月のジェイド・シリーズは、日本・デンマークの外交関係樹立150周年を祝した美しいプログラム。新日本フィルの上岡音楽監督は2016/2017シーズンよりコペンハーゲン・フィル首席指揮者も兼任しており、まさにこの祝賀の機会における適任者といえるだろう。

コンサートの幕開けは、デンマークを代表する大作曲家ニールセン―かつて100クローネ紙幣にも肖像が描かれていた―の序曲「ヘリオス」。静的な響きの移ろいが早くも傑出した出来を示す。グリーグ「ピアノ協奏曲」では、分厚くも煌びやかな清水和音の独奏と編成を小さくしたオケが緻密な対話を繰り広げた。中間楽章はじめ、これほど微細な叙情美を表出した演奏も珍しい。
後半のツェムリンスキー「人魚姫」は想像を超えた美演となり、その水準に驚嘆した。この曲を暗譜で鮮やかに振る上岡、ビシリと音程の揃った各声部の積み重ねで爛熟したロマンを描き出した。このコンビの幾多の演奏の中でも、両者の指向性が曲と完璧に合致した結果ではなかったか。時折挟まれるゲネラル・パウゼは、切々と紡がれる物語の語り手が呼吸を整えるような印象を与えた。

第3曲で人魚姫が水へ身投げして泡となり、悲哀の中に物語は閉じられたが、演奏会の最後には予想外なオマケが待っていた。デンマーク出身の作曲家ロンビ(ロンビー)による「シャンパン・ギャロップ」が賑やかに演奏されたのだ。なるほど、泡繋がりということか―それに、1月のウィンナ・ワルツ&ラ・ヴァルスの予告の役割にもなろう。何はともあれ、華やかかつ真摯な演奏で、有意義な祝賀演奏会となった。