2017

2017年に接した公演の中で、印象に残ったものについて簡単に振り返ります。
まずは回数のまとめを。
ジャンル別まとめは、演奏会形式オペラや室内オケなど決め難いものが少なくないので行いません。
また出演・来日の頻度などに個人差があるので、演奏家別も行いません。 

【ホール別回数】
1位:サントリーホール(34回 うち大ホール34、ブルーローズ0)
2位:東京芸術劇場(25回)
3位:東京オペラシティ・コンサートホール(21回)
4位:NHKホール(19回)
5位:東京文化会館(18回 うち大ホール15、小ホール3)
以下、すみだトリフォニーホール(15回)、ミューザ川崎シンフォニーホール(13回)など。

サントリーは昨年比半分以下。当然ながら休館が効きましたね。その分、他のホールに満遍なく分散した形でしょうか。

【オーケストラ別回数】
1位:都響(30回) 
2位:読響(23回) 
3位:N響(21回)
4位:新日本フィル(18回) 
5位:東響(16回)    
以下、日フィル(7回)、東フィル(6回)、神奈川フィル(5回)、東京佼成WO(4回)、シティ・フィル、札響、大フィル、京響(3回)など。
 
海外団体は聴いた順に、NDRエルプフィル、ベルリン・コンツェルトハウス管(3回)、フィルハーモニア管、新イタリア合奏団、デトロイト響、アジア・ユース・オケ、スウェーデン放送合唱団、バイエルン州立管(2回)、ルツェルン祝祭管、ブラック・ダイク・バンド、ボストン響、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、中国フィル、ウィーン響。全17回。(前年比-3)

【総計】 
216回(2016年:228回、2015年:225回)

ここからは「印象に残った公演」を聴いた月順に25公演、その中でも特に素晴らしかったものを「特に印象に残った公演」として10公演選びたいと思います。選出はあくまで個人的嗜好によるものです。

【印象に残った公演】 
1/28 クワハラ/東京佼成ウインド コリリアーノ、レスピーギ
2/23 P. ヤルヴィ/N響 武満徹、マーラー
2/26 ルスティオーニ/都響 デュカス、レスピーギ、ベルリオーズ
3/5 びわ湖ホール「ラインの黄金」(沼尻竜典/京響)
3/20 インバル/ベルリン・コンツェルトハウス管 ベートーヴェン、マーラー
3/23 アンドラーシュ・シフ
5/25 ホリガー/アンサンブル・ノマド「スカルダネッリ・ツィクルス」
6/2 鈴木秀美/新日本フィル ハイドン「天地創造」
6/4 アキロン・クァルテット モーツァルト、デュティユー、ドビュッシー
7/10 ミンコフスキ/都響 ハイドン、ブルックナー
7/17 インバル/都響 マーラー
7/19 スラットキン/デトロイト響 武満徹、コルンゴルト、チャイコフスキー
7/29 上岡敏之/新日本フィル ペルト、オルフ
8/18 ルイージ/サイトウ・キネン マーラー
8/24 「わ」の会 vol. 4 ヴァーグナー
9/14 スウェーデン放送合唱団
9/18 広上淳一/京響 武満徹、ラフマニノフ
9/21 バイエルン州立歌劇場「タンホイザー」
10/1 K. ペトレンコ/バイエルン州立管 マーラー、ヴァーグナー
10/9 エベーヌ弦楽四重奏団
11/4 ネルソンス/ボストン響 チャイコフスキー、ショスタコーヴィチ
11/8 リントゥ/都響 シベリウス「クッレルヴォ」
11/23 ソヒエフ/N響 プロコフィエフ
12/6 ピエール=ロラン・エマール メシアン「幼子イエスにそそぐ20のまなざし」
12/13 デュトワ/N響 ハイドン、細川俊夫、メンデルスゾーン

【特に印象に残った公演】  
5/18 サロネン/フィルハーモニア管 ストラヴィンスキー、マーラー
○「葬送の歌」日本初演、凄絶極まるマーラー「悲劇的」と、このコンビの現在の到達点をあらゆる角度で見せ付けられノックアウト。
5/19 ロジェストヴェンスキー/読響 ブルックナー
○スクロヴァチェフスキが振る予定だった演奏会をロジェヴェン師がまさかの代役登壇、しかもシャルク版。昨年のショスタコーヴィチ「第10番」に引き続きこの楽団の底力を思い知ることに。
7/3 メルクル/国立音大オケ ドビュッシー、メシアン
○2017年もっとも(良い意味で)予想を裏切られた充実の演奏会。メルクルの明晰な指揮のもとオケが超難曲に果敢に挑み、しかも素晴らしい完成度で味わわせてくれた。
7/26 フルシャ/都響 スメタナ「我が祖国」
○今年で解消するコンビが、最後に残しておいたといわんばかりの勝負曲をミューザで。フルシャの指揮、オケの充実、まさにかくあるべしという響き。
7/28 インバル/大フィル マーラー
○昨年の「第5番」はお世辞にも満足いく出来では無かったが、インバルの強靭な指揮に見事オケが応え、都響を上回るのではないかという世界へ。弦は攻勢、1stトランペット氏激ウマ。
9/11 P. ヤルヴィ/N響 モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」
○就任以降「?」という演奏も正直少なくないと思っていたこのコンビ、演奏会形式のモーツァルトが大ヒット。若手中心・演技闊達な歌手陣、佐藤美晴さん(ベストには入れなかったが日フィル『ラインの黄金』、愛知祝祭管『ヴァルキューレ』の演出も感激!)の舞台造りと文句なしの上演。
10/8 シャイー/ルツェルン祝祭管 R. シュトラウス
○これぞ究極のオーケストラ美学、といわんばかりに磨きぬかれたサウンドの妙。どこを切り取っても音楽が自由に解き放たれているのに、合奏が恐ろしいほど精緻。ミューザで聴けたのも幸福だった。シャイーの棒も個人的には大いに買い。
10/17他 新国立劇場「神々の黄昏」(飯守泰次郎/読響)
○G. フリードリヒ×イーモリ公の「指環」完結。批判も根強かったが、東京春祭とこの初台が生涯初の「指環」となった自分としては感慨深い上演。グールド、ラングはじめ強力なキャストが揃い、読響の豪放磊落なサウンドも負けなかった。
10/27・28 エリシュカ/札響 スメタナ、ドヴォルジャーク、リムスキー=コルサコフ
○3月の東京公演以降、引退が発表されたエリシュカを聴きに遅ばせながら初Kitara。最初から最後まで稀有な空気感があり、会場全体がエリシュカへの敬愛に充ちていることを痛感。泣かずにいられなかった。
11/26 カンブルラン/読響 メシアン「アッシジの聖フランチェスコ」
○来年度に迫ったカンブルランの読響勇退に先駆けて、最大のプロジェクトがいよいよ実現。びわ湖を含め3度の公演のために、実に1ヶ月のリハーサル期間を使って準備がなされたという。その成果は想像を遥かに超え、充実の歌手と共に恍惚たるメシアンの世界へ客席を誘った。一生忘れえぬであろう体験。

今年も沢山の素晴らしい公演に接することができました。素敵な音楽を奏でてくださった演奏者の皆様、事務局やスタッフの方々、その他遠征などでお世話になった皆様、本当にありがとうございました。来年も一期一会の音楽との出会いを楽しみに、この項を閉じたいと思います。