2018/5/18
新日本フィルハーモニー交響楽団
ルビー〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉 #15
@すみだトリフォニーホール 大ホール

バーバー:交響曲第1番
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲

カーニス:ムジカ・セレスティス
コープランド:バレエ音楽「アパラチアの春」組曲
~アンコール~
エリントン(Ron Collier編):The Riverより “The Lake”

ピアノ:山下洋輔
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:西江辰郎
指揮:ジョアン・ファレッタ

5月のルビーに登場したのは、米国バッファロー・フィルの音楽監督を1999年から務めるマエストラ、ジョアン・ファレッタ。指揮姿は丁寧そのもので、オーケストラを手堅くバランスよく鳴らす手腕の持ち主だ。彼女が今回組んだのは、知られざる作品を中心としたアメリカ音楽プログラム。耳馴染みはないが、どの曲も聴き映えのする旋律や華々しい音響に溢れている。

バーバー「交響曲第1番」から絢爛豪華にオケが鳴り、終結へ向い音楽のスケールを拡げていくさまには胸が躍った。ガーシュウィン「ピアノ協奏曲」は几帳面ながらも随所で伸びやか、2楽章ではトランペット・ソロがここぞとばかりに軽やかに歌う。大ヴェテラン・山下洋輔の独奏は思いの外まろやかな音色で、3楽章は重戦車のような迫力すら伴いつつ進む。ただ、かなり曲を改編した演奏だったのだろう——演奏時間は一般的なものよりかなり長くなっていた。ソロと管弦楽が緊密に対話するというよりは、自分の世界を拡げるソロに管弦楽が合わせるという趣だった。これが賛否を分かつ点であろう。

後半の幕を開けるカーニス「ムジカ・セレスティス」は「ローエングリン」第1幕への前奏曲と同じ和音に始まり、ミニマル風味も交えつつ弦5部が美しい色彩を描く。コープランド「アパラチアの春」は各場面が丁寧かつ賑やかに描写され、穏やかな終結も味わい深い。ヨーロッパの作曲家が自らの土地やそこに息づく人々の生活を音楽に込めたように、コープランドも開拓時代のアメリカの空気感を自らの音楽に刻印した。今回のプログラムを締め括るに相応しい、堂々たる選曲と演奏であった。最後に奏された小粋なアンコールも含めて、充実のマチネだった。