2018/09/15
新日本フィルハーモニー交響楽団 第593回定期演奏会
@すみだトリフォニーホール

R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
R. シュトラウス:オーボエ協奏曲
~アンコール~
R. シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」より 前奏曲

R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
R. シュトラウス: 交響詩「死と変容」

オーボエ:古部賢一
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:崔文洙
指揮:上岡敏之

シーズン開幕はオール・R.シュトラウス・プログラム。就任披露でも「ツァラトゥストラはかく語りき」&「英雄の生涯」というプログラム(ライヴ録音が発売されている)を組んだ、上岡にとっては重要な位置付けの作曲家であろう。冒頭の「ドン・ファン」は斬れ味鋭く駆け抜け、一方でオーボエ協奏曲では内省的な美を聴かせる。柔らかくソリストの音楽性を包み込むような音作りがこのコンビの協奏曲伴奏の特徴だが、今回も古部賢一の独奏と共に歩み、寄り添い、フレーズの浮き沈みにも精緻に対応した。アンコールではこの多幸感溢れる名作の雰囲気をそのままに、オケのメンバーを交えて名作「カプリッチョ」の6重奏を親密に演奏して前半を締め括った。楽員をソリストに迎えた公演だからこそ可能なプレゼントだろう。後半、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」では声部の巧みな調整と強めの発音により、管弦楽による一大戯画を大胆に表現した。最後に置かれた「死と浄化」(喜劇的に駆け回る『ティル』との好対照も成すだろう)は激烈な主題群提示の勢いが終盤まで持続し、かつ融け合った木管が見事に演奏会を結ぶ。それぞれ性格を異にする4傑作―さぞリハーサルは大変だっただろう―を描き分けた上岡とオーケストラの手腕に拍手を贈りたい。