2018/10/20
新日本フィルハーモニー交響楽団 第595回定期演奏会
@すみだトリフォニーホール

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
リンドベルイ:タイム・イン・フライト(2016-17/日本初演)

シベリウス:交響曲第7番

ヴァイオリン:ヴァレリー・ソコロフ
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:西江辰郎
指揮:ハンヌ・リントゥ

2015年10月にすみだトリフォニーホールで行われたシベリウス・ツィクルスでフィンランド放送響、新日本フィルを振り分け、目覚しい成果を挙げたハンヌ・リントゥ。3年ぶりの新日本フィルへの帰還でも、やはりシベリウスを取り上げた。「ヴァイオリン協奏曲」ではヴァレリー・ソコロフの実直なソロも良いが、何より指揮の厳しい彫琢が出色だ。国際的に活躍するフィンランド人作曲家マグヌス・リンドベルイ(1958-)の「タイム・イン・フライト」、ラテン語の原題は”tempus fugit”。まさにそのタイトル通り、時が過ぎ去りつつ痕跡を残してゆくさまを都会的な筆致で表現している。近未来的な音響と弦・木管の旋律美が絶妙に合致したオーケストレーションは見通しがよく、リントゥの大鉈を振るうような指揮(されど緻密!)とも好相性を示す。全5部構成の中にオケ内ピアノのカデンツァ的箇所が2回含まれており、特異なカデンツァの闖入という点で冒頭のシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」と共通する。選曲の妙である。後半はシベリウス「交響曲第7番」。「第2番や第5番以外のシベリウスも聴いて欲しい」とNJPのビデオインタヴューでも語ったリントゥ、その指揮は共感を漲らせつつも楽曲を険しく掘り下げてゆく。オケも渾身の力演で応え、最後の数分は実に崇高な聴体験となった。やはりリントゥ、只者ではない。