2018/7/4
新日本フィルハーモニー交響楽団 第591回定期演奏会
@サントリーホール 大ホール

ベートーヴェン:交響曲第8番
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:豊嶋泰嗣
指揮:アンドリュー・リットン

7月初めのサントリー定期、リットンはベートーヴェンとショスタコーヴィチの傑作2篇を並べた。双方で猛烈なトレモロを要求される弦楽器はじめ、オーケストラには過酷な要求であろう。さて結果はいかに。ベートーヴェン「交響曲第8番」は14型で、アタックもアクセントもあまり浮かび上がらない。柔らかな仕上がりはリットンの解釈か、それとも後半の大曲を前提としたペース配分か(後者のような気が・・・)。典雅ともとれるが、やや緩めの演奏という印象だ。中間楽章の木管、第3楽章トリオでのトランペットのまろやかなブレンドは美しいが、終始不安定なホルンは何とかならないものか。

後半の大曲ショスタコーヴィチ「交響曲第4番」。第5番の前にこれほど破天荒な作品を書いていたのか、と何度聴いても圧倒される大傑作。こちらは流石にオーケストラも締まった。交響曲形式を超えんばかりに凝縮された膨大な諸要素を、リットンは数珠繋ぎで飄々と描く。第1楽章がこれほどあっけらかんと進んでゆく演奏も珍しいのではないか。彼のアプローチだと楽曲の慟哭は薄まり、一方で形式の面白さに光が当たる。第3楽章の次々と移り変わる音像には、新古典主義バレエのような愉悦すら漂うではないか。凝縮した険しい表情を浮かべた演奏が多いこの曲であるが、このようなスタイルもまた「有り」かもしれない。何より、解釈の違いを許容する楽曲の懐の大きさに唸る。大編成のオケは最後までよく鳴り渡り、各ソロも決まった。