たくさん聴かな、あかんやん。

都内在住私大生。自分の心に正直に書きます。

July 2010

こんばんは!

最近、NHK-BSハイビジョンでは、「スター・ウォーズ」全作品を放送していますね。
(しかも、5.1サラウンドで・・・。早くスピーカー買い替えたいです)
全部観ています。

私も、小学生の頃、もういいだろ・・・という位繰り返し観て、完全にその世界に虜になった一人です。
全6部作のDVDはおろか、スピンオフの小説やノベライズ、全2部の「クローン・ウォーズ」のDVDも買い揃えました。

久しぶりに観てみて、旧・新三部作の間の矛盾が全く、完全に一つの物語として構成されていることに改めて感銘を受けました。
一体、ジョージ・ルーカスの脳内はどうなっていたんでしょう?

新オビ=ワンを演じるユアン・マクレガーの、アレック・ギネスの演技の研究の切実さにも頭が下がります・・・。


また、これも改めて感じたことですが、
音楽が本当に素晴らしい

映画音楽どころか、最早クラシック音楽としても将来に残る素晴らしい作品です!

全作品の音楽をジョン・ウィリアムスが担当しているので、作品を通しての違和感もありませんよね。
(ハリー・ポッターなどは、1作目だけなのですが・・・)

アクションを盛りたてる勇ましいマーチもさることながら、
突如現れる甘美な旋律など、たまらなくロマンティックです・・・。

そんな名曲「スター・ウォーズ」は、何とDECCAのカタログにあるんです。

ホルスト:惑星 / ウィリアムズ:スター・ウォーズホルスト:惑星 / ウィリアムズ:スター・ウォーズ


アーティスト:メータ(ズービン),ロサンゼルス・マスター・コラール

販売元:ユニバーサル ミュージック クラシック

発売日:2001/04/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する



黄金時代のズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルハーモニックによるセッション録音です。
作曲家により「組曲」に編纂された、れっきとした管弦楽曲としての「スター・ウォーズ」。

これ、ロンドン響とのサントラより完成度は高いのではないかと思います。
実際、本当はアメリカのオーケストラを使いたかったそうなのですが、コストの関係でロンドン響になったそうです。

自国アメリカの映画だからでしょうか、ロス・フィルも燃えまくっています。
メータの指揮も、強烈なティンパニや、「エンド・タイトル」での弦の濃厚な歌い回しなど、
これ以上望むべくもない出来。そこで70年代のDECCA録音と来れば、もうこれは不滅の大名盤でしょう。

しかも、ホルストの「惑星」とカップリングで、定価1,000円!!
「スター・ウォーズ」ファンの皆さん、これは絶対に買いですよ。


最後に、こんな動画をご紹介。
作曲家ご本人の指揮、ボストン・ポップス・オーケストラによる演奏です。
何と、1987年・サントリーホールでのもの!
本家本元だけに、流石に極上の仕上がりで、これは見逃せません・・・。

2010年7月19日(月・祝) 13:20開場 14:00開演
@サントリーホール
都響45周年記念特別公演 都響スペシャル/コンサートオペラ 売られた花嫁


Photo

イェニーク:ルドヴィト・ルドゥハ
マジェンカ:アドリアナ・コフートコヴァー
ヴァシェク:オトカール・クライン
ケツァル:ヤーン・ガラ
クルシナ:セルゲイ・トルストフ
ルドミラ:エヴァ・シェニグロヴァー
ミーハ:フランティシェク・ジュリアチ
ハータ:ルツィエ・ヒルシェロヴァー
ナビゲーター:朝岡聡
ダンサー:三井聡 江田あつし 水那れお 今村たまえ
子役:秋元萌
合唱:二期会合唱団(合唱指揮:冨岡恭平)
管弦楽:東京都交響楽団
指揮・演出:レオシュ・スワロフスキー

スメタナ:歌劇「売られた花嫁」(チェコ語上演・日本語字幕付・コンサートオペラ方式)


昨日(「ファウストの劫罰」)に引き続きオペラです。

それにしても、これ程楽しい舞台だとは!本当に素晴らしい体験でした!
このような最高の上演をあれこれと批評するのは野暮というものでしょう。
もちろん感想は書きますが、ベタ褒めとなります故、ご了承ください。

まず、オーケストラの素晴らしさ!
都響45周年記念公演に相応しい、完璧かつ、生気溢れる演奏でした。
これまで、ほとんどインバルとの共演でしか都響を聴いたことがありませんでしたが、本当に素晴らしいオーケストラだとつくづく思いました。
弦の張りのある響きが最高、と勝手に思っていましたが、今回は最早そういった感想は抱きませんでした。全てのパートが精緻を極め、それらが有機的に息づいている。
単に「巧い」オーケストラではなく、豊かな人間味を感じさせる「上手さ」なのです。
特に、有名な「序曲」ではその機能性が最高に発揮されていました。
オーケストラ・パートが重要な役割を担うこのオペラでは、都響はこれ以上望むべくも無い楽団であります。

そして、都響の高い芸術的水準にチェコの華を添えたのが、名匠スワロフスキーの指揮。
スロヴァキア・フィルのシェフなどを務め、チェコ・フィルにも頻繁に客演するというスワロフスキー。その活動範囲はチェコ国内に留まらず、ヨーロッパ、アメリカでも高い評価を受けているようです。
都響とは2007年より共演しているようで、非常に良い関係にあることが今回の公演でも見て取れました。
さすがはコシュラー直伝であり、その指揮振りにはこれ以上無いほどの自信と、自国の音楽への誇りが聴き取れました。全編を通してのオーケストラの巧みなリードもさることながら、華やかな舞曲や、幕のフィナーレでは猛烈なアッチェレランドを敢行、ボヘミアの土臭い響きをホール一杯に充満させていました。
また、歌手へのキュー(指示)の行き届きは尋常ではなく、流石はプラハ国立歌劇場の監督を務めただけのことはあります。切れ味のある腕の一振りで、全ての歌手のあらゆる歌い出しを確認していました。こういった指揮者の役割がはっきり見て取れるのも、コンサートオペラ形式の大きな利点といえるでしょうね。

また、今回彼は演出も担当していましたが、指揮者の余興かと思いきや、意外にも(失礼!)見応えのある舞台づくりでした。まず、朝岡聡のジョーク(酒場の主人役。自店のビールに勝るのはサントリーの「プレミアムモルツ」だけだ、と語り、客席を沸かせました)を交えた導入に始まり、最初にボヘミアの踊り子(通常のオペラでは合唱が踊るそうですが、今回は舞台の制約上2組のダンサーを登場させた、とのこと)一階客席左側の扉から登場、同地点からマジェンカなどの歌手達も現れました。
その他にも、客席やステージなど、ホール全体を所狭しと使用した、シンプルかつダイナミックな演出で、非常に好印象を受けました。また、第3幕冒頭のサーカスの、興奮の絶頂ともいえる舞踊では、スポットライトをホールのあらゆる所に投射し、やり過ぎとすら思えるほどの派手な効果を生んでいました。
さて、歌手についてですが、全キャストがチェコからの招聘であり、流石に堂に入った名唱を全員が聴かせてくれました。チェコ語については、以前「ブロウチェク氏の旅行」を観た時も感じた通り、非常に聴き取りにくい言語だと思いました。
しかし、同郷のスワロフスキーとの息はぴったりで(一日目はやや合っていなかったとも聞いています)、それぞれの役柄の性格がすんなりと理解できました。
特に良かったのは、やはりマジェンカでしょうか。イェニークの裏切りを耳にした時の金切り声にも似た絶唱は、全編中最も切迫した場面と言えますが、大変豊かな声量で圧倒しました。また、スロヴァキアの大ベテランバス、ヤーン・ガラの歌唱も風格が満ち溢れていました。堂々たる舞台姿もさることながら、金銭のみが生きる意味と確信し、忙しく動き回る人物像を、生き生きと描き出していました。その他の歌手も、非常に素晴らしかったです。
また、合唱も演技こそ全く無かったものの、スワロフスキーの細やかな指示を音楽にしていたと思います。思えば、本日の二期会合唱団は昨日の「ファウストの劫罰」にも出演していました。もちろん別メンバーでしょうから、膨大な会員を有する二期会だから出来る離れ業とも言いましょうか・・・。

終演後の観客の熱狂振りは、ともすれば6月のインバル「復活」を凌ぐほどでした。
やはりカーテンコールで一番多くの「ブラヴォー」が浴びせられていたのは、他でもない、スワロフスキーと都響でした。本当に素晴らしかった。

冒頭の繰り返しとなりますが、これ程楽しいオペラ上演も稀であり、この「売られた花嫁」の素晴らしさもさることながら、何よりコンサートオペラ形式の充実を確信いたしました。
次回は、ドイツ・オーストリアものの作品で我らがシェフ・インバル(フェニーチェ劇場のシェフも務めていますから、オペラ指揮者としても一流なのでしょう!)が腕を振るう、というのはいかがでしょうか?客席総立ちとなること、間違いなしです!
―――とここまで書いて、インバルは来年3月、バルトークの「青ひげ公の城」をこの形式で上演するということを思い出しました。
渋い選曲ですね・・・これは見逃せません!
私も是非観てみたいと思います。

それでは、また素晴らしい音楽との出会いを願って、本日はこれにてお別れしましょう。

こんばんは。
本日は、久しぶりにオペラを見て参りました。

2010年7月18日(日) 13:00開場 14:00開演
@東京文化会館
東京二期会オペラ劇場 4部からなる劇的物語「ファウストの劫罰」


La_damnation_de_faust_thumb

ファウスト:樋口達哉
マルグリート:林正子
メフィストフィレス:泉良平
ブランデル:北川辰彦
舞踊:H・アール・カオス(メインダンサー:白河直子)
演出:大島早紀子
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:ミシェル・プラッソン

ベルリオーズ:4部からなる劇的物語「ファウストの劫罰」


フランス・オペラ、というかオペラの鑑賞自体がこれで3回目なので(初オペラは「カルメン」次がヤナーチェク「ブロウチェク氏の旅行」日本初演!)、大した事は全く書けません。悪しからず。

今回の作品はゲーテの「ファウスト」に心酔したベルリオーズの「ファウストの劫罰」。
もともとは、「ファウスト8景」という管弦楽曲でしたが、後に改作、今の形に至ります。
この曲は、あくまで「劇的物語」であり、オペラとは少し違いますね。演奏会形式で上演されることも多いようです。
ベルリオーズ作品における、リズムの弾力や管楽器の活躍、甘美かつ上品な旋律などの特徴は多く見受けられ、特に第4部のマルグリートの処刑を聴いて動転するファウストとそれに応じるメフィストフェレスの対話の疾走感など、たまらないものがあります。また、第2部、第4部のそれぞれの終結部では、色彩だけではない崇高な音楽が展開され、聴く者の心を打ちます。
一度観ただけですが、すっかりこの作品に恋をしてしまいました・・・。
さて、本日の舞台の演出は、大島早紀子氏です。バレエなどの振付を専門とされていて、最近オペラ演出に進出されているようです。主宰するH・アール・カオスによる舞踊を全編にわたって使用した舞台づくりで、ワイヤーすら用いたダイナミックな身体表現は迫力満点でした。

そして、指揮はフランスの名匠、ミシェル・プラッソン。トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団を指揮して大量のフランス音楽をEMIに録音しています。
スター指揮者では決してなく、実直な職人肌の指揮者ですが、彼の音楽の音色は洗練され尽くしており、ベルリオーズの「幻想」をかつて耳にした時、あまりの美しさに心奪われたことをよく覚えています。

―さて、具体的な話に話題を移しましょう。
幕が開くと、まず現れたのは老ファウスト。ベルリオーズは、直前に初演され評判になった自身の「ハンガリー(ラコッツィ)行進曲」の流用、また独立運動が起こっていたハンガリーへのオマージュといった目的があり、「ファウスト」には無いハンガリーでの場面を最初に置いたといわれます。
ファウストの後ろの方では、常にダンサー達が激しく動き回ります。今回、3階席での鑑賞でしたが、ドタンバタンという音がはっきりと聴こえました(笑)。
この舞踊を多用した演出の一つの目的として、登場人物の暗喩的心理描写があると思います。ファウストが絶望に苛まれると、ダンサー達が突如階段から転げ落ちたり、また這い上がろうとしたり。もしこれが本当に目的の一つならば、かなり成功しているといっていいでしょう。オペラ演出の新たなアプローチの開拓だと思います。
ただ、先ほど作品についての項で触れたような静謐な場面でも、相変わらず忙しなく動き続けるのは如何なものかと思います。舞台にどうしても目が行ってしまって、折角の美しい音楽への感興が削がれました。
また、大島氏は舞台上の合唱の整理にも目が行き届いており、特に、第1部の天からの合唱(小さな窓のようなところから合唱が姿を現していました)や、ライプツィヒの酒場でブランデルやメフィストフィレスと大衆が歌い踊る場面では、大きな机を分割したり、再び繋げたりして効果的に活用していました。

ここまで、演出について賞賛してきましたが、オーケストラ、歌手の演奏も大変完成度の高いものでした。
歌手では、何と言っても林正子の圧倒的な歌唱力が際立ちました。登場は第3部と遅めのマルグリートですが、高音、弱音を問わず豊麗な声で、一気に心を鷲摑みにしてきました。あそこまでの繊細な歌唱が出来る歌手は、海外でもそうはいないのではないでしょうか。今後に期待です。
男性陣は手堅い出来というべきでしょう。ファウストの樋口達哉は明るめの声で、高音の張りの良さと演技力は高く評価したいですが、ここぞという時の切迫感に欠けており、その点だけを問題とするならばもう一方のキャストの福井敬が圧倒的だったのだろうと思います(私的には、福井氏が聴きたかったのですが)。メフィストフィレスの泉良平は、その貫禄のある舞台姿が大変結構でしたね(笑)。肝心の声も、悪魔的な笑い声をはじめ、役柄によく合っていたのではないかと思います。
そして、何よりもプラッソンの熟達の指揮!さすが伝統の伝承者だと頷きました。
まもなく80代になろうというプラッソンですが、順調に円熟してきているようです。EMIの「幻想」より幾分統率はゆるくなったように感じましたが、ファウストの地獄落ちなど、要所では確実に舞台をリードしていました。
しかし、残念ながら少々音楽のメリハリが見えにくかったことも事実です。最も、これは彼だけの問題ではなく、オケピットを深く沈めてしまった舞台監督の責任でもあるはずです。東京フィルも、バンダ等も含めほぼ完璧にプラッソンの意図に応え、色彩感のある響き(特にトランペットと弦楽のパリっとした音色!)を創り出していただけに、これは非常に惜しまれることでした。

少しばかりの問題もあったものの、ベルリオーズの傑作の価値を再認識できた、良い舞台でした。大変満足しています。

このページのトップヘ