たくさん聴かな、あかんやん。

都内在住私大生。自分の心に正直に書きます。

March 2011

既にご存知の方もいらっしゃると推察しますが、
東京・春・音楽祭のマーラー「大知の歌」公演及びワーグナー「ローエングリン」の公演が
このたびの地震の影響により中止を余儀なくされました。

しかし、実行委員会の迅速な対応により、
各公演で演奏予定だったオーケストラを起用して、チャリティコンサートが催される運びとなりました。

何と、ズービン・メータが再び東京に戻ってきて、ベートーヴェン「第9」を振ります。
(マーラー「復活」の方が今の状況下では合っているのではないか、とも思いますが)

実行委員長・鈴木幸一氏の人脈でしょうか・・・いやはや恐るべし。

4/2の公演も尾高さんマーラー5番と、「大地の歌」に劣らぬ傑作。

チケットの払い戻しも受け付けているようですが、
最近マーラーを集中的に聴いていますので、迷わず行くことにしました。
しかし4/10は日程の都合上行けない(爆)
超名演の予感がするのですが――無念。

NHKさん、勿論撮って下さいますよね!?お願いしますよ!

実行委員会からのアナウンスメントは以下をご参照ください。


4/2 尾高忠明指揮読売日本交響楽団 特別演奏会
バーバー:弦楽のためのアダージョ マーラー:交響曲第5番
http://www.tokyo-harusai.com/news/news_780.html

4/10 ズービン・メータ指揮NHK交響楽団 特別演奏会
(合唱は東京オペラシンガーズ、独唱者は3/29 14時の時点では調整中)
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_785.html

2011年3月24日(木) 18:00開場 19:00開演 @東京芸術劇場大ホール

2011都民芸術フェスティバル
オーケストラ・シリーズ No.42 新日本フィルハーモニー交響楽団

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:今川映美子
指揮:小泉和裕
コンサートマスター:崔文洙

ベートーヴェン:劇付随音楽「エグモント」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲

---休憩(15分)---

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番


今日の新日本フィル、第2ヴァイオリンには都響のトップ・双紙氏が。お久しぶりです。

まず開演に先立って日本演奏連盟の方から簡単な挨拶があり、その後黙祷が捧げられました。

続いて小泉さんが入場し、重々しいトゥッティで「エグモント」序曲が始まり、分厚い弦の響きが続きます。
どこも奇を衒った所のない、堂々たるベートーヴェン。一曲目にしてブラヴォーが飛びます。
インバルの古典派演奏もそうですが、ピリオド奏法が席巻する現代音楽界において、気宇壮大な解釈を貫き通す演奏家は頼もしい限りですね。信用できます。

続いて、グリーグのピアノ協奏曲。
有名な冒頭で始まる曲で、美しいメロディが満載なのですが、あまり聴きこんでおらず楽しめませんでした。協奏曲もしっかり予習しなければだめですね。
演奏自体は、透明感のあるピアノとオーケストラの掛け合いが美しく、佳演でした。

休憩後、ショスタコーヴィチの第5番の前に、小泉さんがマイクをとります。
「震災の被害でご苦労をされている方々が大勢いらっしゃる。この後演奏する交響曲第5番は、《苦悩から歓喜へ》というテーマをモチーフに書かれている名作で、ベートーヴェンの作品の精神にも通じる。実際に演奏を聴いては頂けないが、避難生活を送っている方々に捧げるような演奏にしたい」と真摯に話されました。盛大な拍手を受け、力強くタクトが振り下ろされます。

前半と同じく、ピラミッド型の重厚な弦の響きに支えられた演奏でありましたが、ロシアの原風景が浮かんでくるとかいうことは特になく、極めて純音楽的な名演だったと言えます。

小泉さんはこちらも王道をゆく解釈で、ヴォルコフの「証言」なんてどこ吹く風という感じですが、
どっしりと腰を下ろしたテンポ設定(アッチェレも妥当!)でかなり楽しめました。

曲が進むにつれて舞台は熱気に包まれ、演奏精度も上がっていくのですから不思議です。
冒頭では、弦のフレーズの歌わせ方などに若干の徹底不足(主催公演でないハンディ?)も感じられましたが、第3楽章あたりから音楽の表情が血の気を帯びてきて、第4楽章では中庸のテンポから加速してヒステリックに高揚し、最後は大音響の中、イン・テンポで終結を迎えました。
若干の間をおいて、客席はブラヴォーの嵐。

新日本フィルは、第2楽章のヴァイオリン、第4楽章のトランペット等、確かな技量をもってマエストロのタクトに必死に応えていました(この状況下ということもあるのでしょうか・・・)。前半を含めて、ややホルンの音の出が遅い感はありましたが、金管の安定した吹奏はやはりこのオケの大きな魅力ですね。第1ヴァイオリンの理知的な音色などもショスタコーヴィチには合っていました。

少しだけ指揮者について。
今日の座席は一階席ニ列目のかぶりつき。小泉さんの指揮姿を一部始終見ていましたが、
カラヤンにしか見えない!!
予備動作、各セクションの煽り方・・・全てそっくりです。楽しみました。

最後に、こういった状況下で演奏会を催してくださった日本演奏連盟及び新日本フィルの関係者の皆様、並びに小泉和裕氏に心から感謝の意を示します。滅ぼしがたき音楽のエネルギーを、ありがとうございました。(特に新日本フィルの楽員の皆様、あの熱演の後に募金活動、本当にお疲れ様でした。私も微力ながら協力させていただきました)

音楽監督スダーンの来日が気になっていた3/26東京響サントリー定期は、
内容を変更して公演を開催することが決定しました。
楽団公式HP

詳細は下記をご参照ください。

《変更前》

指揮:ユベール・スダーン
ピアノ:アレクサンダー・ガヴリリュク
テノール:福井敬
合唱:東響コーラス

リスト:交響詩「オルフェウス」
フランク:交響変奏曲
ベルリオーズ:テ・デウム

 ↓↓↓

《変更後》

指揮:小林研一郎
ソプラノ:森麻季
メゾ・ソプラノ:竹本節子
テノール:福井敬
バリトン:三原剛
混声合唱:東響コーラス(合唱指揮:樋本英一)

モーツァルト:レクィエムより
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」


急遽の決定ではありますが、
充実した歌手陣を迎えての「モツレク」(「より」というのが気になりますが)、
そしてチェコ・フィルとの全集録音もスタートしたコバケンの「英雄」。

こんな時だからこそ、皆様是非会場に足をお運びください!

2011年3月20日(日) 13:30開場 14:00開演 @横浜みなとみらいホール 大ホール
読売日本交響楽団 みなとみらいホリデー名曲コンサート・シリーズ

管弦楽:読売日本交響楽団
指揮:下野竜也
クラリネット:四戸世紀(読売日響 首席クラリネット奏者)

バッハ:管弦楽組曲第3番より アリア

---黙祷---

《トランスクリプション名曲集》

バッハ(エルガー編曲):幻想曲とフーガ
ブラームス(ベリオ編曲):クラリネット・ソナタ第1番

---休憩(20分)---

グルック(ワーグナー編曲):歌劇「アウリスのイフゲニア」序曲
ウェーバー(ベルリオーズ編曲):舞踏への勧誘
ドビュッシー(ビュッセル編曲):小組曲
バッハ(シェーンベルク編曲):前奏曲とフーガ


既に当ブログでもお知らせしたように、東北関東大震災の影響で
3月に予定されているコンサートの殆どがキャンセルとなっています。
在京オケに頻繁に登壇する海外の巨匠達が、来日中止を余儀なくされたためです。
そんな中、スダーン指揮東京響の定期は中止とはなっていないようです。スダーンは在日蘭人??
             ↓↓↓↓↓
(スダーンとソリストのガヴリリュクの来日が中止、コバケンが代役を務めます。こちら

私の敬愛するマエストロ、インバル指揮する都響の演奏会も当然ありません。
ショック大・・・。

そんな中、読響は予定通り演奏会を開催してくれました。
詳しくは最後に。


さて、お馴染み「ゲテモノ担当」下野竜也の登場です。
今回も一捻りも二捻りもある、充実したプログラム。
バッハに始まり、バッハで終わります。
・・・と偉そうなことを書いていますが、日頃はロマン派ばかり聴いているものですから、今回の元ネタ(バッハ)が分かりません(爆)
という訳で、今回は編曲から聴こえる編曲者の作風の違いを聴き比べるのがやっと(泣)

最初のエルガー編曲のバッハ「幻想曲とフーガ」。もとはオルガン曲ですが、エルガーらしいノーブルな響き。とはいっても盛り上げ所では盛大にシンバルが打ち鳴らされます。

続いて、ブラームス/ベルクのクラリネット・ソナタ第1番。
なかなか梅渋な曲・・・。また私には早いかな。
四戸世紀さんの肉厚な音色と安定感は素晴らしく、最後の舞台を有終の美で飾っていました。

休憩後はグルック/ワーグナーの「アウリスのイフゲニア」序曲で始まります。
そこそこ綺麗なメロディのある曲なのですが、今一つ感興が沸かないまま終わってしまいました。
あまり演奏されない曲は、それだけの理由があるのでは、と一瞬思いました。

続いてウェーバー/ベルリオーズときたら、もうこれは「舞踏への勧誘」しかありませんね!
冒頭のチェロのソロの音色の芳醇なこと!みなとみらいの残響へと美しく溶けていきます。夢心地。
その後も宝石のようにキラキラと煌めく管楽器の音色、シルクのような弦楽が混濁せずに響き、シェフ・カンブルランとの共同作業の順調ぶりをうかがわせます。今日一番優れた演奏はこれだったのでは?
ついつい皆さん導入部の再現の前に盛大な拍手をしてしまい、下野さんが手で制していましたが(笑)

そしてドビュッシー/ビュッセル(誰??)の小組曲。
最初はフランス物にしては腰が重かったような気がしますが、曲が進むにつれて比重が高音に傾き、最終的には甘美な音を紡ぎだすことに成功していました。美しい演奏。

〆には、バッハ/シェーンベルクの「前奏曲とフーガ」。大作で、舞台一杯にオーケストラが陣取ります。シェーンベルクの編曲は、後期ロマン派の典型のような響きですが、きちんとバッハのニュアンスを感じられるところが冴えています。オケも熱演で、クライマックスは盛り上がりました。

演奏終了後に、下野さんが「音楽家は皆様に音楽をお届けすることが使命であり、その使命を果たしたいとの思いから演奏会開催という結論に至った」という旨のスピーチを行い、お開きとなりました。

曲目こそ馴染みの薄いものでしたが、こういう中で演奏会を開催するということに大きな意味があります。照明・暖房も極力落とし、節電が目立った演奏会。素晴らしかった。

終演後のロビーでは、下野さんと楽員の皆様が募金を呼びかけていました。私も「貧者の一灯」を。

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