たくさん聴かな、あかんやん。

都内在住私大生。自分の心に正直に書きます。

January 2012

2012年1月28日(土) 15:15開場 16:00開演 @愛知県芸術劇場 コンサートホール

名古屋フィルハーモニー交響楽団 第387回定期演奏会「運命の一撃に死す」

管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団 
コンサートマスター:後藤龍伸
指揮:尾高忠明

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

今宵は名フィル定期。定期でこのオケを聴くのは初めてでした。

名フィルは、Y席1000円(=学生券)を必ず発売してくれます。都内のオーケストラだと、当日までに残席がある時のみの販売、というのが殆どです。なので、一般チケットが売り切れでも、学生は演奏を安心して楽しめるこの制度は大変ありがたいです。区分は3階席の後ろから2列ですが、予想以上に音響・視界ともに良好なのです!ステージがくまなく見渡せ、音場的・視覚的にそれほど遠い感じもしません。素晴らしい!

尾高さんのマーラー、昨年4月、震災復興記念のチャリティ公演での「5番」以来でした。

さて、流石に超大作の第6番だけあって、ステージ上には所狭しと楽器、椅子が配置されています。
大編成の管弦楽に加え、グロッケンシュピール、シロフォン、タムタム、2対のティンパニ、そしてハンマーや舞台外のカウベルなど大量の打楽器群、さらにチェレスタやハープ2台。この壮観さでもオケ・ファンの胸は高まるというものですね。(公演前に名フィルのfacebookでリハーサルの様子等が公開されていましたが、今回のハンマー台はステージ・マネージャーの自作だそうです)

開演前のロビー・コンサートは5つのフルートのための協奏曲でした。大変心地よい響き。
着席後しばらくして、楽員の方々が登場、続いて尾高さんも登場し、決然と第1楽章が始まります。

アレグロ・エネルジコ、マ・ノン・トロッポ。その通り、中庸のテンポで、きびきびとした行進曲の中から劇的なオクターヴ跳躍を示す第1主題が現れます。攻めの低弦は重厚で良かったのですが、受けのヴァヴァイオリン群がやや薄く感じました。この印象は第3楽章あたりまで変わりません。開始早々ソロの難所が待ち受ける金管セクションですが、どのパートも見事に決まりました。レベル高い!その後も行進曲調と美しい弦楽の調べが交錯し、絡み合って行きますが、尾高さんはあくまで淡々とした語り口。インバルやテンシュテットの、「濃い」歌わせ方に慣れている身としては、やや物足りなく感じましたが、要所で爆発する管弦楽と、すぐさま到来するピアニッシモの鮮やかな描き分けはじつに見事なものでした。また、舞台裏のカウベルにしろ、管楽器のソロを支える弦楽のトレモロにしろ、尾高さんが作り出す音響バランスも絶妙。感服します。
第2楽章は、新バージョンの通りアンダンテ・モデラート(バランス的な側面を鑑みて、やはりこの配置が妥当でしょう)。尾高さんの得意とする、淡い心の動きのような旋律が、名フィルのややソリッドながら透明感のある弦により細やかに表出されます。それに続くホルン等のソロも完璧。オーボエをメインとする木管のアンサンブルなど安定した出来を示すも、未だ弦の薄さが気になります。破綻などは全く無いのですが、うねりがあまり感じられないのはマーラーにとって決定的なマイナス要因なので、少し後半が心配になりました。
そして、第3楽章。ここへ来ても金管は強靭なサウンドを聴かせてくれます。シロフォンなどと合わさって、ひっきりなしに変貌していく曲想。木管はベル・アップも多く見所が多いです。
そして、第2主題がオーボエにより提示されると、尾高さんは軽やかに弦楽をリードしていきます。ウィーンで学ばれた方なので、もっとここは濃い味付けを施されるかと思いましたが、予想は外れました。胃もたれしないすっきりとした喉ごしの響きには、少し影響があったかもしれませんが。第2主題の後半部、白昼夢が覚めない人間の苦悩のような部分は大変に味わい深く聴けました。このあたりからようやく弦楽に生々しさが出てきます。やがて、冒頭部が復活して、第2主題が断片的に巻き込まれて終結します。
―第4楽章。不思議なシロフォンに続く冒頭のティンパニは、木製でしょうか―とにかく硬質なマレットでガンガンと破裂音のような響きで圧倒します。そして混乱が静まった後、静かに現れるテューバ。幽玄で美しい旋律ながら、どこかおぞましさが漂い、鳥肌が立ちます。そして、音楽はだんだんと高まり、やがて、狂ったように暴走を始めます。勿論尾高さんががっしりと手綱を握っているので、全体の構築が崩れることは無いわけですが。有名なハンマー2箇所も完璧な音響バランス、タイミングもバッチリ。弦楽の官能的な歌いまわしも最高潮に達します。尾高さんは細かくテンポを変化させ、絶妙な効果を生んでいました。明晰な棒さばきのおかげで、名フィルも殆ど乱れを見せることなく、要所にねじがしっかりとはめ込まれていきます。
管楽器、一瞬トランペットが空中分解しかけた以外は磐石のクオリティ。ハンマーの直後、トロンボーンとトランペットが奏する没我的なファンファーレは、トランペットに音量バランスを傾けることで、より恐ろしげな雰囲気をかもし出していました。あっという間に全曲を駆け抜け、やがてまたテューバが戻ってきます。そして、恐怖のエンディングで終結。

いやー、名フィル侮ってました。ごめんなさい。
金管むちゃくちゃパワフルやないですか。木管もグルーヴ感が凄くて、クラリネットの一番のおじさんが相当ノリノリで吹いていたのが印象に残っています。弦楽はやはり薄めかなぁ、と思いますが、3楽章からの変貌は凄かった。初めからあのテンションだったら都響も真っ青なんだけれどなぁ。。。打楽器はティンパニさんの大活躍(この曲一体何種類のマレットを要するんだ??)。
そして、尾高さんの素晴らしい指揮。前にも書いたような気がしますが、やはり的確で奇をてらわない、かつ情熱的な解釈には本当に安心できます。皆が皆インバルみたいだったら聴衆は死んじゃいますからね。勿論、曲が曲なので爆発箇所の迫力はものすごいものがありました。
尾高さん、今シーズンは確かベルリン放送響でも「第6番」を振るはず。出来ればヴァイトブリックあたりから将来的に発売して欲しいところですが、無理かなぁ。

素晴らしい演奏のおかげで、マーラーがこの曲に込めた「人間の二面性の恐怖、そして将来への警告」のメッセージが痛いほど伝わりました。実際ヘトヘトになった80分でしたので、今日はもう寝ます。おやすみなさい。

みなさま、明けましておめでとうございます。2012年(平成24年)が始まりました。

今年も拙ブログをよろしくお願い申し上げます。


2011年は、近代日本の中でも際立って苦難の多い年でありました。

まず、震災後、未だ苦しい避難生活を強いられている方々には謹んでお見舞いを申し上げます。
今年こそ、一人でも多くの方々にご多幸が訪れますよう、微力ながらお祈りいたしております。

海外の情勢としては、カダフィ政権が倒れ、「アラブの春」とすら呼ばれる事態となりました。
年越し直前には北朝鮮にて金正日が死去、新たに金正恩体制が始まりました。
この他にも、ウサーマ・ビン・ラディンが死去するなど、(結果論ではあるものの)強力な独裁者たちの死が印象的でした。

2011年、多くの方と同じく、私も「自分が社会において何ができるのか?何をすべきなのか
?」を強く考えさせられました。そして、2012年はそれらを実行していく年にしようと決意しています。しっかりと日本・世界の将来について自分なりの意見を持ち、それを国際的な場で発表することで、イニシアティヴを発揮していきたいと思います。
具体的には、留学プログラムに挑戦したい、そのためにしっかりと勉強を積み重ねていく、ということですが。

皆様は新年の目標はお決めになりましたか?
お互い充実した一年にしていきたいですね!

さて。
話題が飛びすぎとの指摘を受けそうですが、2011年ベストコンサート5発表で~す。

第5位
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィルハーモニー交響楽団
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
サントリーホール
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圧倒的な精神力で独自の世界を構築した、ファウストに脱帽。
アルミンクと新日本フィルも伴奏を超えた「協奏」であった。


第4位
ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)
西村真紀(東京響首席ヴィオラ)
ユベール・
スダーン指揮東京交響楽団
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
サントリーホール
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キュッヒルの輝かしいヴァイオリンの音色が素晴らしすぎた。
本プロの淨夜も情念のこもった、かつ整然とした演奏。小澤さんっぽかった?


第3位
大野和士指揮東京フィルハーモニー交響楽団 ほか
マーラー:交響曲第2番「復活」
サントリーホール
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第1位にもランクインした大野氏。オケにさらなる洗練を求めることはできたものの、
全曲をがっしりと構築しつつもフィナーレで圧倒的な「祈り」を感じさせた指揮は鳥肌もの。


第2位
フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)
アラン・ギルバート指揮東京都交響楽団
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ツィンマーマンのベルク、現代音楽にもかかわらず温かな情の零れ落ちるような演奏。
ギルバートと都響も、海外オケの演奏を聴く気が起こらなくなるほどの完成度。
休憩後のブラームス(前プロのハイドン変奏曲も)はもはや伝説。再客演熱望。


第1位
大野和士指揮東京都交響楽団 ほか
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
サントリーホール
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「第9」という曲の内包する本質的なメッセージを、形式、演奏法といった壁を高く飛び越してわれわれにぶつけてきた大野氏に、本当に度肝を抜かれた。世界のマエストロ大野。
都響も12月の超過密スケジュールのなかでこの完成度。
素晴らしいステージをありがとうございました。


あ、全部サントリーホールだ。。。
まあ近場ということです。
聴ける時期が限られているため、夏と冬に固まってしまったのはご愛嬌ですw
大学に入ったらもっと広範囲で聴いていきます。

やはり一番聴いていたのは都響なのですが、インバルがランクインしなかったのは個人的には意外です。まあ今年は3月登壇すべて聴きますので楽しみ!!

今年も名演に出会えますように!

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