たくさん聴かな、あかんやん。

都内在住私大生。自分の心に正直に書きます。

October 2012

2012年10月28日(日) 13:20開場 14:00開演 @東京芸術劇場 コンサートホール

「作曲家の肖像」シリーズVol.89《マーラー》

マーラー:交響曲第3番

メゾソプラノ:池田香織
女声合唱:二期会合唱団
(合唱指揮:長田雅人)
児童合唱:東京少年少女合唱隊
(合唱指揮:長谷川久恵)
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートミストレス:四方恭子
指揮:エリアフ・インバル

昨日に引き続きインバル×都響のマーラー3番。
結論から言うと、昨日より遥かに深い感銘を受けました。
賛否両論が分かれる芸術劇場での公演ということで、結果は未知数でしたが、
3階Cブロックでの鑑賞の感想としては、みなとみらいの一階席とは比べられないほどよい音響。隠し味程度に残響が付加されてニュアンス豊かにオーケストラが響き渡る。ただ、もう少し弦が前に出てくると良いかもしれません。

演奏は昨日より良い意味で大胆さが増し、冒頭から全く硬さのない素晴らしいものでした。
勿論超大曲・難曲だけに、ノーミスとはいきませんが、卓越した管楽器群をはじめ、ここぞというところで見事に決めてくれるのでマイナスイメージにはなりません。特に木管は本当に楽しげな表情が随所で聴かれ、余裕すら感じられ、第1楽章では絶妙の効果を発揮していました。

昨日のカーテンコールは見ていませんが、インバルも今日の公演には大満足のよう。
ポストホルンと一番を兼任した高橋氏をはじめ、管楽器群をまず立たせた後、弦楽器、コーラス、独唱を立たせましたが、一度退出した後の答礼ではオケに最大限の賛辞を送るジェスチャーを行っていました。ソロ・カーテンコールも2回あり、満面の笑みで答えていました。
彼は今都響を完全に信頼しきっており、その指揮は自然体ですが、出てくる音は第一級です。


昨日の演奏では、インバルがオケをぐいぐいとドライヴするという側面が強く、この曲にしてはやや強引すぎるアプローチのように感じられ、「2年前に比べるとちょっとギコギコしてるな」と正直感じたのですが、やはり練成度の問題。今日はすべての演奏者に余裕があり、この曲の自然を描いた描写が手に取るように再現される様に大変興奮しました。
2年前の演奏とも比べても、表現・技術の両面で進歩がみられました。(インバルの舞台人としての采配の変化もありましたし)第6楽章のフィナーレなど、ただごとでない感情の昂ぶりが眼前に展開され、2年前よりも更に巨大な感動を味わいました。
ああ、遂にこのコンビはここまで来たのか・・・という感慨もありますが、それよりもこのツィクルスを完走した時の境地に大きな期待を持っていたいと思います。今、間違いなく彼らは世界のマーラー演奏の一つの極点を描きつつあります。

次はこれまた極めて美しい名曲・第4番と「子供の不思議な角笛」。インバルの名演に期待です。

2012年10月27日(土) 14:20開場 15:00開演 @横浜みなとみらいホール 大ホール

横浜芸術アクション事業 インバル=都響 新マーラー・ツィクルス3

マーラー:交響曲第3番


メゾソプラノ:池田香織
女声合唱:二期会合唱団
(合唱指揮:長田雅人)
児童合唱:東京少年少女合唱隊
(合唱指揮:長谷川久恵)
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートミストレス:四方恭子
指揮:エリアフ・インバル

間違いなく世界のマーラー演奏史に新たな一ページを刻む、インバル×都響の新マーラー・ツィクルス。ようやく私も参戦してまいりました。(今後、4・5・8・9と参戦予定です)

みなとみらいホールは久しぶりだったのですが、今回は1階席22列目での鑑賞。
サントリーに慣れ親しんでいる身としては、音響的にやや不満を持ちました。
反響板を設置していないからでしょうか?とにかく音が客席に飛んでこない。
大熱演を眼前にしながら音にリアリティを感じられないというのは、かなり生殺し状態(笑)
今度からはP席あたりにしようかと思います。

今日のインバルは、中休みとして(???)ブラームス・ツィクルスを挟んですぐ、とは思い難いほどパワフル。第1楽章中盤、低弦の細かな刻みの後の大暴走箇所までは今一つ呼吸が合っていなかったようで、インバルは歌わず、都響の音色もやや硬く慎重な感じでしたが、その後は音に深みが出て、インバルもノリノリ。オケに出す指示は以前より格段に減っているにも関わらず、出てくる音楽は深化しているのだから驚きです。

第3楽章のポストホルンの奏者は気になるところ。以前は高橋氏が舞台上トランペット、ポストホルンは岡崎氏が担当して喝采を浴びましたが、今回は何と高橋氏が舞台裏に行って担当。この大曲のトップを務めるだけでも大変だというのに、ポストホルンまで兼任するとは何というスタミナなのでしょうか。明日もありますのでどうか唇のケアには細心の注意を払っていただきたいところであります。ソロ自体は大変見事なものでした。

なお、今回の白眉は第4楽章だったと思います。孤高の表現者インバルの解釈を完全に把握した都響が織りなす深遠な世界に、アルトの池田氏が見事な歌を添えました。ブラヴァー!!!

また、第5楽章で登場する女声合唱・児童合唱は以前の演奏より高レヴェルな感がありました。特に児童合唱は元気に「びむ!ばむ!」と歌うだけではなく児童合唱らしい高貴さを漂わせていて痺れました。またこの楽章、大抵の演奏では第6楽章にアタッカでつなげるかと思いますが、ピッコロの音が静まっていった後、合唱団を着席させつつ適切なタイミングで入ることがなかなか難しい。インバルは、まだ5楽章で歌うところがあるにも係らず合唱団を着席させ、スムースに入りを行いました。これは斬新なアイディア。才人であります。

その第6楽章は間違いなく第一級のものでした。弦の歌いこみの素晴らしさはいわずもがな、全オーケストラがバシッとタイミングを合わせ悠久の歩みを表現していきます。ホルン、トランペット、フルート、トロンボーンと次々にソロが出てきますが皆さん本当に見事。。。
最後のティンパニの打撃まで完璧に揃って感動の大団円となりました。

ここで余韻を味わうところが、何とも貧しいフライング拍手&ブラヴォーが。。。
横浜クォリティ、などという言葉が使うべきではありませんが、それにしても第1・3楽章での携帯の音といい、若干モラルの低さにがっかりしました。ライヴレコーディングしてるのになぁ。

今回の彼らの「3番」については、明日の芸劇公演を聴いてからより詳しく述べたいと思います。
既に今日一般参賀2回だったそうですが(←というのも、カンブルラン/読響にダッシュしたからですw)、果たして明日はどうなるのか。それでは楽しみに待ちましょう。

10月に入って急に寒くなってきた今日この頃でありますが、
皆様方お元気でしょうか?

さてさて今年の芸術の秋、震災の影響がまだ若干感じられるとはいえ、
多彩な顔ぶれで既に盛り上がってきましたね!
ざっと書き出しますと・・・

・ティーレマン/シュターツカペレ・ドレスデン
・ヤンソンス/バイエルン放送響、同合唱団
・フェドセーエフ/チャイコフスキー響(旧モスクワ放送響)
・ブロムシュテット/バンベルク響
・ゲルギエフ/マリインスキー劇場管
・ティルソン・トーマス/サンフランシスコ響

なかなか豪華なラインナップではありませんか!
中でもティーレマン/ドレスデンは、夏の就任直後という最高にホットなタイミング。
私もNHK音楽祭のブラームスを聴きましたが、流石の演奏でした。
また、ゲルギエフはもはや恒例と言っていいオペラの演奏会形式上演。
今回はナタリー・デッセイとの「ルチア」という贅沢なプログラムに期待です。
ブロムシュテットのブルックナーもNHKが収録してくれるといいなぁ。
また、来日機会に恵まれなかったサンフランシスコ響が遂に登場。
ラフ2&マラ5という大得意演目でその実力を見せてくれるでしょう。
そして12月に入ると、最大の目玉であろうヤンソンスのベートーヴェン・ツィクルス。
合唱はバイエルン放送合唱団を帯同という超プレミアム仕様です。

しかし国内オケも全く負けていません!

・ハーディング/新日本フィル
・マゼール、デ=ワールト/N響
・カンブルラン、デ・ブルゴス/読響
・インバル/都響

まずは超ビッグネームのマゼール/N響。齢80を超えても巧みなバトン・テクは衰えないようです。ミュンヘン・フィルとのコンビにも注目が集まります。
そして我等が巨匠インバル!
都響との蜜月が最高に熟した今、マーラー・ツィクルスをはじめ、開催される演奏会は常に聴衆の感動を呼んでいます。
本日はいよいよ超大作・マーラー3番!一昨年3月の名演も記憶に新しいこのコンビ、さらなる深化を見せてくれるに違いありません。

本日15時からの横浜公演は当日券ありです。是非皆様どうぞ!!
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=17

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