たくさん聴かな、あかんやん。

都内在住私大生。自分の心に正直に書きます。

December 2012

明けましておめでとうございます。2013年(平成25年)が始まりました。
今年もよろしくお願いいたします。


・・・ということで、いよいよ2013年が始まりました。
昨年の末に第2次安倍内閣が成立し、いよいよ自民党が政権与党に復帰しました。
これを機に、今年こそ東北地方の復興が進んでほしいと願っております。

クラシック音楽シーンでは、昨年を上回る充実が見られます。
ヴェルディ&ヴァーグナーの2大巨匠のメモリアルということで、それにちなんだコンサートも各所で開催されますし、来日オケではウィーン・フィル、ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管の世界3大オケが一挙に集結する当たり年ですし、国内オケでもスダーン/東響、インバル/都響のラスト・シーズンとなり、盛り上がりが予想できます。特に後者はマーラー・ツィクルスの完結!今年もインバル/都響は影ながら応援していきますよ!

さて、それでは本題。
2012年に私が聴いたコンサートを振り返ってみようと思います。
毎年、この企画の前には書いていることですが、私は全寮制の学校に居りますので、
実家に帰省した時、及び外出した時にしかコンサートを聴けていません。
よって他のブロガーさんに比べて圧倒的に回数は少ないです。

コンサートの絶対数では2011年より少なくなったのですが、
その一つ一つの充実度は勝るとも劣らないものがありました。

それでは参りましょう。

オーケストラコンサート 14回
オペラ 1回
(偏ってますね。。。)

特別賞


アルト:福原寿美枝 テノール:福井敬
飯守泰次郎指揮新交響楽団
マーラー:交響曲「大地の歌」 他

アマチュア最高峰の楽団として名高い新響。
その実力は想像以上のもので、ただただ恐れ入った。


第5位


バリトン:大久保光哉 アルト:藤井美雪
朗読:明野響香、トーマス・クラーク、谷口優人
合唱:ひろしまオペラルネッサンス合唱団(合唱指揮:もりてつや)
シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団
細川俊夫:ヒロシマ 声なき声 他

カンブルランの得意とする現代モノで固めたプログラム。
聴いた後に様々なことを考えさせられた。非常に意義深い演奏会。

第4位

ソプラノ:森麻季 バリトン:河野克典
エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団
マーラー:交響曲第4番「大いなる喜びへの讃歌」 他

マーラーの「角笛」と「4番」を並べることで、4番をまったく新しい視点から眺めることができた。随所に現れる猟奇的な響きには背筋が寒くなった。
都響の天国的な響きは最早神々しいほど。森麻季の声もよく調和。

第3位

ダニエル・ハーディング指揮サイトウ・キネン・オーケストラ
R. シュトラウス:アルプス交響曲 他
2012年8月23日 キッセイ文化ホール

人気のハーディングがサイトウ・キネンにデビュー。
名手揃いのオーケストラが生み出す音楽は凄まじく密度が高く、
是非、小澤氏の後継者としてこの音楽祭の常連として来てほしいと思った。


第2位

トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 他
12月11日 愛知県芸術劇場コンサートホール


響きの艶やかさはこれまで耳にした中で最高レヴェル。
また、ソヒエフのオーケストラコントロールが抜群で、
ベルリオーズの狂気をねっとりと描きだした。ボレロも堂々たる解釈。


第1位

メゾ・ソプラノ:イリス・フェルミリオン テノール:ロバート・ギャンビル
エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団
マーラー:交響曲「大地の歌」
3月30日 サントリーホール 他

都響の2011年度最終公演であり、オーボエの本間氏など複数の団員の引退公演ともなった、記念すべきメモリアル・コンサート。「大地の歌」の演奏史上、特筆すべき出来栄えであり、フェルミリオンや各楽器のソロが哀愁を奏でた終楽章では涙があふれ出た。この時聴いた音楽は絶対に一生忘れないだろう。


それでは皆様、2013年を良い年にいたしましょう!!

2012年12月23日(日) 13:00開場 14:00開演 @東京芸術劇場

読売日本交響楽団 第150回東京芸術劇場マチネーシリーズ

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」

ソプラノ:木下美穂子
メゾ・ソプラノ:林美智子
テノール:小原啓楼
バリトン:与那城敬
合唱:新国立劇場合唱団
合唱指揮:三澤洋史
管弦楽:読売日本交響楽団
コンサートマスター:デヴィッド・ノーラン
指揮:シルヴァン・カンブルラン


今年の第9、都響と新日本フィルも考えましたが、やはり常任指揮者自ら登壇する読響に絞りました。
カンブルラン、確かバーデン・バーデン南西ドイツ放送響(長い!)と「第9」を取り上げた際は、シェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」を前半に取り上げるという、とんでもないプログラミングを行っていました。そのチャレンジング精神は大いに買いでしょう。
まあ日本で同じコンセプトで演目を編むならば、この前の定期で取り上げた、細川俊夫のような作品を持ってこなくてはいけなくなりますので、無理があるでしょうね~。

プログラミングはともかく、演奏はカンブルランの個性を確かに刻印した興味深いものとなりました。
弦楽のヴィブラートを控えめにし、早めのテンポで音楽を引き締めるのは現代のベートーヴェン演奏のスタンダードといえましょう。
ただ、そこは鬼才カンブルランのこと、ただ快速で飛ばすだけではありません。第2楽章の序奏部のパウゼをかなり取りました。第4楽章でも、木管をはじめとする様々な声部を浮き立たせるなど、多くは失念してしまいましたが、非常に多くの実験を行っていました。
全体的に総括すると、カンブルランは音楽が停滞することを非常に嫌っていたように思います。(とまあ、これはどんな指揮者でも意図することでしょうが) そして彼の場合、全曲に舞曲のような弾力性を持たせてメリハリ、流れを生むことにより、音楽の停滞を避けていたのでしょう。普通なら―どんなテンポであれ―ゆったりとした表情を持つ第3楽章でさえ、同じベートーヴェンの「田園」のような、ウキウキとした高揚がはっきりと感じ取れたのは驚きです。
このような解釈、あまり自分は好みではないのですが、まるでベートーヴェンの気迫が溯るかのような趣があり、十分説得力があるものだと思います。

顔を紅潮させ、力強く振る常任指揮者に、読響も存分に応えていました。
ヴィブラートが控え目ということで、特筆すべき弦の重厚さは幾分後退、しかしその分各声部の交錯が極めてハッキリと聞き取れ、極めて鋭いベートーヴェン像を形成しました。特に鈴木首席率いるヴィオラ群は強力極まりない!
木管も安定した名技を披露。倉田さんのフルート、吉田さんの豊かなファゴットが特に際立っていたように思います。金管もパリッとした音色で素晴らしい。
そして一番称えられて然るべきなのはティンパニの岡田さん!もともと在京オケのティンパニ奏者の中でもトップクラスの実力の持ち主だと思っていますが、全曲通して豊かにして強靭な打音で演奏を引き締め、素晴らしいプレイを披露されました。弱音の表現も含めて見事としか言いようがありません。

終演後はカンブルランの繊細な心遣いが感じられるカーテンコールで好印象。いい演奏会でした。

2012年12月20日(木) 18:20開場 19:00開演 @東京文化会館 

東京都交響楽団 第746回 定期演奏会Aシリーズ

マルティヌー:交響曲第6番「交響的幻想曲」

---休憩(20分)---

ベルリオーズ:幻想交響曲

管弦楽:東京都交響楽団
コンサートミストレス:四方恭子
指揮:ヤクブ・フルシャ


公演日から数日経ってしまいましたが。

以前の記事を読んでくださればお分かりいただけると思いますが、
この12月にトゥールーズ・キャピトルの幻想を名古屋で聴いた後、
「流石の都響も彼らに勝てるかな・・・」と、行こうか行くまいか大変迷っていました。
ですが、15日のB定期の評判が頗る良かったようですし、フルシャもお初だからということで参戦してまいりました。
いやぁ~、本当に決断して正解でした!こんなに気持ちの良いコンサートを体験できるとは!

今回のプログラミング、実に面白いですね。マルティヌーが作曲の初期段階において、「新・幻想交響曲」と呼んだ作品を、実際幻想交響曲と一緒に演ってみるとどうなるか?
また、チェコのマイナー作品とポピュラーな作品を組み合わせたという点でも実にフルシャらしいと思います。
マルティヌーが1953年、幻想交響曲が1830年に成立していますから、この二人の作曲家の生きた時代は実に2世紀も離れているわけです。にも係らず、ベルリオーズの音楽の先鋭的なこと!我々でさえこう思うのですから、当時の聴衆はもうたまげるなんてものではなかったでしょうね。


閑話休題、演奏の方へ移りましょう。

今回の都響は、弦楽はなかなか豪華で、四方さん・山本さんのダブルコンマス体制に加え、ヴィオラ陣には店村さん・鈴木さんが並びました。チェロは古川さん、2ndは失念。
管楽器はCl三界さん、Ob広田さん、Fg山本さん、Fl柳原さん、Tp高橋さん、Tb小田桐さん、Hr有馬さんなど。

前半のマルティヌー、彼の最後の交響曲で、25分程度の作品でしたが、かなり綿密でぎっしりと詰め込まれており、予想以上の充実感がありました。
チェコの作曲家というと濃厚な民族色の発露を想像しますが、パリで学びアメリカで活躍したということで、民族色はほんの隠し味程度です。代わりに実にモダンな作風が印象的でした。
「幻想曲」らしくというべきか、息の短い主題が次々と登場して目まぐるしく変貌していきますが、随所に現れる打楽器のリズムは、戦争終結から間もない当時の情勢を想起させます。

フルシャと都響は実にスマートな演奏でした。各声部が手に取るように分かるバランスの良さは特筆ものです。フルシャも都響の実力を完全に信頼してのことでしょう、それほど頻繁に指示を出しまくるでもなく、ここぞという時に強力にオケをドライヴしました。都響の打楽器セクションは相変わらずキレが良く見事!

休憩後の幻想交響曲、前半で既にかなり満足しましたが、こちらは更にその上を行く超絶的演奏。文化会館の残響の少なさを逆手にとるとは!フルシャ、天才としか言えません。
先日のトゥールーズは、ソヒエフのこだわりなのでしょう、ゆったりとしたテンポによる壮大な音絵巻、という趣でしたが、今回は等身大で熱く熱く燃える幻想でした。どちらも甲乙つけ難いものです。

フルシャの指揮は実にオーソドックスなもので、1~3楽章は淡々と進み、4・5楽章でその魔性を表出するという描き分けが見事です。第1、4楽章ではリピートあり!
また、第1楽章のオーボエ・ソロに対するチェロの旋律を、芸術家の鼓動のように波打たせて行ったり、第5楽章のヴィオラ群の不気味なメロディをかすれ気味に、よりおどろおどろしく彩ってみたりと(恐らく、駒の近くで弾かせたのでしょう)、我々が慣れ親しんだこの曲からアッと驚くような斬新な要素を引き出していました。

都響も前半より更にパワーを増し、文化会館のストレートな音響を生かして、後半楽章では金管はベタ吹き気味で圧倒。第2楽章のコルネット・ソロを担当した高橋さんもブラヴォーでした。
逆に、前半では繊細にして華やかな色彩を見せました。各セクションの安定感は言わずもがな。木管も実に色彩感豊か。故フルネと培った伝統がまだ生きているということでしょうか。
特に、クラリネット群は三界さんの完璧なソロもさることながら、3rdの小クラリネットを奏した糸井さんは本当に凄かった!弦楽の厚みもいつも以上で、フルシャのテンポ変化にも完璧につけていました。
というわけで、都響の実力は間違いなくトゥールーズと肩を並べているのですが、やはり極彩色とも言えるフランスオケの色彩感には及ばなかったですね。それでも特筆すべきレヴェルであり、トゥールーズが異常と言えるのでしょうが(笑)

フィナーレではフルシャも物凄い迫力の指揮で圧倒し、燕尾服の下に着ているウェストコートが破れてしまいました。こんなこともあるのですね。終演後はオーケストラのメンバーともども実に和やかな雰囲気となりました。オケとの信頼関係はインバルとのそれに並ぶでしょう。

フルシャと都響、来年度は4公演ありますね。ますます強力なコンビになりそうで楽しみ。

都響とのライヴ、ディスクが好評だったインバルのブルックナー2番です!

前回はリストの「ファウスト交響曲」で名演を聴かせた、
相性の良いフランス国立放送フィルとの最新映像です。
(ちなみにこのオケ、来年シェフのチョン・ミョンフンと来日するようですね。)

12月中には消えてしまうと思いますので、お早めにご視聴ください。


2012年12月14日@サル・プレイエル(パリ)
エルガー:チェロ協奏曲
ブルックナー:交響曲第2番
管弦楽:フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団
チェロ:マルク・コッペイ
指揮:エリアフ・インバル

視聴はこちら(arteのページに飛びます)

2012年12月11日(火) 18時00分開場 18時45分開演 @愛知県芸術劇場コンサートホール

第30回名古屋クラシックフェスティバル
トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
ラヴェル:ボレロ

---休憩(20分)---

ベルリオーズ:幻想交響曲

~アンコール~
ビゼー:歌劇「カルメン」より 第3幕への前奏曲、第1幕への前奏曲

管弦楽:トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
指揮:トゥガン・ソヒエフ


「トゥールーズ・キャピトル」と言えば、まず頭に浮かぶのがミシェル・プラッソンとの組み合わせでしょう。
彼らがEMIにのこした膨大なフランス音楽のカタログのうち、恥ずかしながら私は数枚しか耳にしていませんが、今回プログラムに組まれた「幻想」での、宝石を散りばめたかのような色彩感に満ちた演奏は魅力的でした。

そのプラッソンは近年シェフの地位を辞し(現在は名誉指揮者)、その後釜を継いだのがトゥガン・ソヒエフです。
弱冠30代にして既にベルリン、ウィーン、コンセルトヘボウの世界三大オケへの客演を経験し、
今シーズンよりベルリン・ドイツ響の音楽監督も兼務するという、破竹の勢いを持った若手指揮者ですので、今回のトゥールーズ・キャピトルとの公演は大変楽しみにしていました。

まずは「ローマの謝肉祭」。
最初のヴァイオリンから、いきなり生彩に満ちた響きが聴かれます。この音で「今日は当たりだな!」と確信しました。続く管楽器の応答、そしてコーラングレによるイタリア風の旋律と、実に生き生きと進みます。(コーラングレの女性奏者、全プロ通して実に見事でした)
オーケストラ公演において、序曲が小手調べということは結構ありがちですが、そんなことを微塵も感じさせない、覇気に満ちた演奏に会場は沸きました。

これに続くのが今回のツアー中、名古屋でしか聴けない貴重な「ボレロ」。
「ボレロ」目当てにわざわざ各地から駆けつけたファンもいたようです。(名古屋の割に客席のマナーが比較的良かったのはこのためでしょうか?) 
そして、この「ボレロ」が超弩級の名演で、今回に匹敵する演奏には滅多に出会えないでしょう。数年前に聴いたN響の演奏が霞みました。
16分程度のゆったりとしたテンポで入念に各ソロを扱い、全く煽らずとも豪壮な音響を作り出すソヒエフの楽曲構築の巧さといったら!楽器間のバランスも完璧にコントロールされ、コーダに来てようやく「ここぞ」とばかり開放される打楽器のずしんと腹に響く音色も生ならではの体感でした。

なおオーケストラの配置は、
前半のみホルンが上手で、「ボレロ」では、チェレスタとシンバルを一人の奏者が兼務。
ハープは前後半ともに下手に配置されていました。


前半でもうお腹一杯の感がありましたが、休憩後は大作「幻想」。

結論から言うと、やはり素晴らしい演奏でした。表現の斬新さは「ボレロ」に譲るでしょうが、
この曲でもソヒエフの個性は確かに刻まれていたと思います。

全体的にはオーソドックスな解釈でしたが、やはり若干遅めのテンポを取り、また効果的なパウゼも随所に交えた、噛んで含めるような独特の歌い方。
ロシア臭、というほどではないにせよ、このような丁寧さ――特に繊細を極める弦楽への指示には――師テミルカーノフの影響を思わせるものがあります。これは彼の大きな長所であり、第1楽章序奏部、第3楽章などでは最大級の効果を発揮していました。是非大事にして欲しいと思います。

また、楽曲構築の見事さについては「ボレロ」で先述しましたが、「幻想」でも改めて実感しました。彼の構築力は最早老練とすら言え、30代とはにわかに信じがたいものです。
緻密な設計に加え、曲の頂点への持って行き方も実に心憎く、息の長いクレシェンドを経て訪れる圧倒的なクライマックスは、「ソヒエフ・マジック」とでも呼びたくなるほど。

ソヒエフ、ロシア物ではより大胆な解釈を打ち出すこともあるようですが、今回のフランス・プロでは、曲の隅々まで完璧に描きつくす!という姿勢を貫いたようで、その結果として「幻想」では、重厚なスケール感のなかで、曲の素朴な美、妖艶な表情、狂気に満ちた乱舞など、ありとあらゆる要素が余すところ無く展開されました。
聴衆の多くが慣れ親しんだこの名曲からこれほどの新鮮さを引き出すソヒエフ、恐ろしいばかりの才能といえます。

オーケストラも、前半を含め最高級のパフォーマンス。フランストップ3というのは、冗談抜きで過小評価に聞こえます。ネームバリューに欠けるからか、会場が8割程度の入りなのが本当に勿体ないです。
まずは弦楽セクション。私はこれまで、フランスの弦は軽い、薄いというイメージを何となく持っていました。そして今回トゥールーズ・キャピトルを実際聴いてみると、確かにドイツやロシアのオケに比べて響きはそれほど深くありませんでしたが、ソヒエフがかなりテヌート気味に弾かせる趣向ですので、各セクションには十分に厚みがあり、トゥッティでは管楽器に負けない存在感を示していたように思います。
また木管は各人抜群の技量。それに加え、豊かな表情付けからはソリスティックな主張を感じ取りました。これが所謂フランス流でしょうか?なおファゴットではなくバソンを吹いていました。
金管も木管同様巧く、またトゥッティでは凄まじいマスの響きでホールを揺るがせ、鳥肌が立ちました。音色も十分に美しく、言うこと無し。「幻想」の後半楽章での大活躍は言わずもがな。
ティンパニは派手なアクションは皆無ですが、芯のある音で全体を引き締めました。その他の打楽器も皆好演。

全体的に、ソヒエフとの共同作業を本当に楽しみながら演奏している感じがあり、その親密な空気が客席にいる自分にも伝わってきたのか、気がついたら自分も笑顔になっていました。
先述したような緻密な歌い方をソヒエフが躊躇無く実践できるのも、オーケストラとの信頼関係の賜物でしょう。アンコールの「カルメン」第3幕への前奏曲では、ソヒエフは終始笑顔を浮かべつつ、ほんの僅かな手の動きでテンポを自在に操っていました。就任から4年にして、早くも両者が蜜月状態にあることは誰の目から見ても明らかです!

なお、第3楽章オーボエは下手舞台袖。第5楽章の鐘は上手舞台袖。
さらに余談ですが、カーテンコールには独特の流儀があるのか、立たせ方に優雅さを感じました。


いやはや、本当に、本当に凄いものを聴かせてもらいました。予想外の特大場外ホームラン。
このコンビ、今後も目が離せない組み合わせであることは言うまでもありません。
そしてトゥガン・ソヒエフ、いずれ巨匠として名を馳せる事となるでしょう。

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