たくさん聴かな、あかんやん。

都内在住私大生。自分の心に正直に書きます。

January 2013

2013年1月26日(土) 15時15分開場 16時00分開演 @愛知県芸術劇場 コンサートホール

名古屋フィルハーモニー交響楽団 第398回定期演奏会

バーンスタイン:「ウェスト・サイド・ストーリー」より シンフォニックダンス
コープランド:クラリネット協奏曲
~ソリスト・アンコール~
ベーラ・コヴァーチ:マヌエル・デ・ファリャへのオマージュ

---休憩(15分)---

バーバー:弦楽のためのアダージョ
J. ウィリアムズ:映画「スターウォーズ」組曲

クラリネット:橋本杏奈
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:後藤龍伸
指揮:円光寺雅彦


このプログラムが発表された時、「(∩´∀`)∩ワーイワーイ スター・ウォーズがまた生で聴ける!」と狂喜しました。つくづく短絡的ですw

しかし、そこは素晴らしいプログラミングの名フィルのこと。構成としてはアメリカ音楽の多様な面を体感できる流れとなっています。
猥雑と洗練を併せ持つバーンスタインに始まり、ロマン派の香り漂うコープランドのコンチェルト。休憩後に、静謐にして雄渾なバーバーが続き、最後に堂々たるJ. ウィリアムズで締めるという構図です。

(2014年2月28日追記 途中まで書いてほっぽり出してました。(;^ω^)
細部は忘却の彼方なので途中ですがあげます...)

2013年1月19日(土) 14時20分開場 15時00分開演 @横浜みなとみらいホール 大ホール

横浜芸術アクション事業 インバル=都響 新マーラー・ツィクルス5

マーラー:リュッケルトの詩による5つの歌

---休憩---

マーラー:交響曲第5番

メゾ・ソプラノ:イリス・フェルミリオン
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:矢部達哉
指揮:エリアフ・インバル



絶好調のインバル=都響の新マーラー・ツィクルス、前半締めくくりの「5番」を聴きました。

インバルが都響の公式YouTubeチャンネルで語っているように、5番は1番~4番までの集大成であり、マーラーは書法的に大胆な試みを行っています。同時に後期作品群への橋渡しといえるような作風であり、その内容の深刻さや密度からは、この作曲家の新たな境地を見ることが出来ます。

またマーラーを得意とするインバルにとしても、「5番」は特に定評のある演目であり、1987年のフランクフルト放送響初来日においても圧倒的名演を聴かせ、その後もベルリン響、フィルハーモニア管とのライヴを重ね、ディスクでも前述のフランクフルトに加えてチェコ・フィルや都響とのライヴが発売されています。

そして今回の都響との演奏が新たに加わる形になるのですが、インバルは期待に違わず、より深化した解釈を披露してくれました。チェコ・フィルとの最新録音はやや丸い印象でしたが、今回のライヴは非常にスリリングであり、またここぞという箇所ではたっぷりと歌い込むなど、都響という最上の楽器を得て自らの理想を奏でているという印象を受けました。

特にアダージェットの表現はこの指揮者ならではです。雰囲気に任せて甘い感傷を奏でる演奏とは全く対極にあり、全奏者のアーティキュレーションを完璧に統一することで、恐ろしく広いダイナミックレンジを獲得し、極めて現世的な解釈を行っていました。その緻密な作業の末に、マーラーの肉声が自然に聴こえてくるのです。

また、舞台人インバルの嗅覚の鋭さに改めて驚嘆しました。第2楽章、チェロがパート・ソロで嘆息のような旋律を奏でる箇所ですが、ここでチェロの裏でトレモロを保つティンパニに対して、インバルは瞬時に音量を上げるよう指示をしたのです。恐らく彼が思い描くバランスと若干異なったのでしょう。この時インバルはほとんど反射的に動いており、彼が楽曲に抱いているイメージの精密さと、実際の演奏をそのイメージに近づけようとする妥協のなさに改めて舌を巻きました。齢80を目前にして、舞台上で幾度となくジャンプを繰り返し、オーケストラを渾身の力でぐい!と牽引するオーラは圧倒的です。やはり、インバルという指揮者は凄まじいのです。

そして、上述したようなインバルの厳しい指示を次々とクリアし、強靭な音楽を我々に届けてくれた都響には最大限の拍手を送らねばなりません。店村氏率いるヴィオラをはじめとする弦楽、安定したソロを奏でたTp高橋氏・Hr有馬氏などの金管、そして恐らくマーラー・ツィクルスでは初めてトップを吹いたOb鷹栖氏・Fg長氏に代表される木管等、すべてのパートが極めて力強くしなやかな音楽を奏で、矢部コンマスのもと一糸乱れぬ演奏を実現しました。
このコンビの一体感は稀有のものがあります。後日公演にて、楽団退場後に3回にも及んだカーテンコールが行われましたが、一度目はインバル単独、二度目はTp高橋氏とともに、最後はコンマスも加えたトリオ・カーテンコールにてようやくお開きとなったというから驚きです。

最後になってしまいましたが、前半の「リュッケルト」も特筆すべき見事な演奏でした。
名手フェルミリオンとこのコンビとの共演はお馴染みですが、やはり彼女は素晴らしい歌手です。明瞭な発音で詩のストレートな魅力を伝え、凄みのある低音から張りのある高音まで自在にコントロールした名唱でした。随所に現れるツボをしっかり抑えているあたり、流石はマーラー歌いだと感心させられます。
背後のオーケストラは交響曲とは異なり若干抑制気味でしたが、その陰影の濃い表情はこのコンビならではのものです。ここでもObはじめ、木管楽器のソロに心を奪われました。そして、最後に配された「私はこの世に見捨てられて」ではすべてが渾然一体となり、魂が震えるような感動を得ました。この体験は生でしかできない類のものでしょう。


本当に内容の詰まった、素晴らしい音楽体験をしました。特に交響曲に関しては、この曲の初体験であった震災後の尾高/読響による、古典音楽の延長のようなスマートな演奏とは対照的で、まさにマーラーの肉声を聴く思いがしました。やはりこのコンビ、目が離せません。

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