たくさん聴かな、あかんやん。

都内在住私大生。自分の心に正直に書きます。

カテゴリ:音楽 > その他

去る6月10日・12日、指揮者エリアフ・インバルはマーラーの第9交響曲を振ってフランスのリール国立管弦楽団にデビューを果たしました。この演奏会に際してフランスのル・モンド紙がインバルに行ったインタビューの全訳を、長年のインバルファンでいらっしゃる山本憲光様よりご寄稿いただきました。以前拙訳をアップした所属事務所によるインタビューと内容的に重なるところもありますが、恐らくは初めて明らかになる事実もありますので本項でシェアさせていただきます。
以前山本様には、フランス放送フィルでのインバル80歳記念コンサートに関連したインタビューの全訳もお寄せいただきました。前回に引き続き掲載を快諾下さり、心より御礼申し上げます。
 
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指揮者エリアフ・インバル80歳の誕生日を祝うインタヴュー・シリーズの第3部。(第1部第2部
第3部では、数々のレコーディングの成功の回想、またオーケストラのサウンドと作品の解釈に関する彼の考えに触れ、インタヴューを締めくくる。 
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指揮者エリアフ・インバル80歳の誕生日を祝うインタヴュー・シリーズの第2部。第1部はこちら
第2部では、イスラエルやヨーロッパで過ごした指揮者としての修行時代について振り返る。インバルが重要な師や音楽家に出会った時代である。

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指揮者エリアフ・インバル80歳の誕生日を祝うインタヴュー・シリーズの第1部。

こんにち、エリアフ・インバル以上の経験をもって振り返ることができる指揮者はそれほど多くない。20台代半ばの時点で彼は既に世界中で引っ張りだこの客演指揮者になっていた。続く数十年の間、インバルはフランクフルト放送交響楽団、フェニーチェ劇場管弦楽団、RAI国立交響楽団、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、そして東京都交響楽団で音楽を創ってきた。これらのオーケストラとインバルは緊密な関係にあり、彼のいまだ精力的な指揮活動の中でも不可欠なものとなっている。

我々(注:インタヴュアーのニーナ・ロルフス氏およびインバル所属事務所のカルステンヴィット)は彼の誕生日の一ヶ月前、ベルリンのコンツェルトハウス管で3つの演奏会を指揮していたインバル氏に会うことが出来た。第1部では、インバル氏の幼年時代やパレスティナとイスラエルで過ごした駆け出し時代についてお届けする。
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Inbal 317


Bon anniversaire Monsieur Inbal!

指揮者エリアフ・インバルが今年2月16日に80歳の誕生日を迎えたことを祝し、縁の深いフランス放送フィルハーモニー管弦楽団を指揮しての記念コンサートが3月4日に催されました。エマニュエル・パユを独奏に迎えてヴィトマンの"Flûte en suite"(フランス初演)とブルックナーの交響曲第9番が演奏され、ブルックナーの演奏後には"Happy Birthday"献奏のサプライズも。
このたび長年のインバル・ファンでいらっしゃる山本 憲光様より、この演奏会に際してラジオ・フランスがインバルおよびパユに行ったインタビューの全訳を寄稿して頂きました。大変興味深い内容ですので、拙ブログでの公開という形で皆様とシェアしたいと思います。全訳をお寄せ頂き、また掲載を快諾頂きました山本様には心より御礼申し上げます。
(山本様は、"norry"様というレビュアー名でインバルのディスク評を行っていらっしゃいます)



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2015/4/22
〈対談 スタートアップカンファレンス 番外編〉
世界的名指揮者 「山田和樹」と、DeNA Co., Ltd.とふるさと納税生んだ伝説VC 「村口 和孝」
面白対談
@慶應義塾大学日吉キャンパス 協生館内 2F藤原洋記念ホール

対談テーマ 「みんな未来へ、スタートアップで挑戦しよう!」
音楽演奏会も、スタートアップベンチャー経営も、成功プロセスは同じ!
(東京オリンピックで思いっ切り音楽を発信しよう!)

登壇者:山田和樹、村口和孝
モデレータ:堀潤


横浜シンフォニエッタの韓国公演準備のためベルリンより帰国したヤマカズが、慶應義塾大学日吉キャンパスに登場。慶應ビジネススクールの入る日吉協生館にて対談企画が開催された。

なんでも、ヤマカズはベンチャーキャピタリスト・ふるさと納税提唱者として知られる村口氏の講義を聴講しようと考えていたところ、「折角いらっしゃるなら是非」ということであっという間に会場を大ホールへと移すことが決定し、今回の企画と相成ったそうである。内容は非常に興味深いものだったが、ヤマカズを正指揮者に擁する日フィルの協力がそこに加われば、日吉の協生館を満員にする以上の聴衆が集まったような気がしないでもない。

堀潤氏をモデレータに迎えての対談は、指揮者とベンチャーキャピタリストという業種の違いを忘れさせるほど共通項の多いものだった。オーケストラと会社はどちらもプロフェッショナルの集団、彼らの能力を最大に引き出すという点では指揮者とVCは同じなのである。世界を飛び回り活躍する指揮者の口からは、ロシア、イギリスのオケの特徴(前者は全く笑わない、後者はお金がないのかリハを1日しかくれない)など興味深い話が次々飛び出したが、オーケストラの前では自然体でいることが大事、と結論づけていた。

また、2020年における音楽のあり方は?という質問に対して村口氏が「ライヴの復権」を持ち出された際、「完璧で高音質の演奏なら家で聴ける。ミスや予測不可能な事態が起きることこそライヴの魅力」とヤマカズが答えていたのも興味深かった。彼自身は「アナログ人間」を自認しているそうだが、完璧さを求められる現代において彼のようなスタンスは貴重ではないか。

その他、東京オリンピックにおける「おもてなし」の一つの形として音楽は何が出来るか、などの話が膨らみかけた所で時間いっぱいとなった。堀潤氏の巧みな話の引き出し方もあり、濃い充実した2時間となった。是非続編を求めたい好企画であった。

4/3 第786回B定期

4/8 第787回A定期

《大野和士音楽監督就任記念公演》

 

大野さんと様々な候補を出して話し合った結果、ベートーヴェン→マーラー→シュニトケという音楽的文脈を明らかにするプログラムとした。

定期でベートーヴェン5番を演奏するのは若杉さん以来25年ぶり。16型倍管で演奏しモダンオケならではのベートーヴェンを。

「都響の伝統を軸に前進する」というポリシーを打ち出すため、やはりマーラーを取り上げたい。大野さんの最得意曲であり、ベートーヴェン5番と同じくハ長調で終結する「7番」を。

シュニトケはコンチェルト・グロッソの形をとり、都響のソリスト陣が活躍。チェンバロは鈴木優人さん。シュニトケはマーラーから様式面での影響を受けており、マーラー7番とも「混沌」という共通項がある。第2楽章ではピアノ四重奏が出現し、マーラー若書きのピアノ四重奏曲の断片がある。

 

参考音源

シュニトケ:合奏協奏曲第4番=交響曲第5番

https://www.youtube.com/watch?v=C-2U0kq6z6s

 

4/29 作曲家の肖像「北欧」

 

指揮のアイヴィン・オードランは元ベルゲン・フィルコンマスのノルウェー人。ノルウェー人の指揮で「ペール・ギュント」というのはなかなかない。

作曲家は北欧4カ国から、なかなか単独では取り上げにくかった人を中心に登場。スウェーデン狂詩曲が有名なアルヴェーンの「祝典序曲」はその名のとおり祝祭感にあふれた曲。

「ペール・ギュント」でソロを歌う小林沙羅さんはかねてからこの曲を歌いたかったとのこと。ノルウェー語歌唱。

 

参考音源

アルヴェーン:祝典序曲

https://www.youtube.com/watch?v=2W905GkGF6k

 

5/13 第788回A定期

 

大野さんも推薦するベルトラン・ド・ビリーが客演。デュティユーとブラームスの交響曲第2番の組合せはマエストロからの提案。

デュティユーはかつてフルネ指揮で演奏した曲目で、久しぶりの演奏。「ル・ドゥーブル」=Double の意で、大小2群のオーケストラの対比が美しく、オーケストラが神秘的かつ豊かに鳴る名曲。4月のシュニトケと同じく、鈴木優人さんがオケ内チェンバロを担当する。

 

参考音源

デュティユー:交響曲第2番「ル・ドゥーブル」

https://www.youtube.com/watch?v=S5ygrTCN-Hk

 

5/17 第363回プロムナード

 

定期から引き続きド・ビリーの指揮。定期とは異なりウィーン古典派でまとめたプログラム。サラ・ルヴィオンはエマニュエル・パユ、マチュー・デュフォーも輩出した神戸国際フルートコンクールの覇者で、現在フランクフルト歌劇場の首席奏者。ド・ビリーとも共演済み。

 

5/29 第789回B定期

 

デンマークのトーマス・ダウスゴーがこの演奏会のためだけに来日。2015年はシベリウスのみならずニールセンも生誕150周年。デンマークのマエストロでデンマークの国民的作曲家の作品を。交響曲第3番は雄大な名曲で、ソプラノとバリトンのヴォカリーズが第2楽章で田園的に繰り広げられる。第4楽章のメロディは一度聴いたら忘れられない。

サーリアホのクラリネット協奏曲は、中世のタペストリー「貴婦人と一角獣」(La Dame à la licorne)にインスピレーションを受けて書かれた。タペストリーの枚数と同じく6つの楽章から成り、表題の"D'OM LE VRAI SENS"は「人間の本当の感覚」の意だが、これを日本語訳してしまうとあまり意味がない。

第6楽章の"A mon seul désir"(我が唯一つの望みに)と表題"D'OM LE VRAI SENS"はアナグラムになっているからだ。

 

初演者のカリ・クラークが来日。都響奏者との掛け合いも含めて彼の超絶技巧を味わってほしい。

サーリアホは同時期オペラシティの作曲コンクールの審査員として来日、都響の演奏会も聴きに来るだろう。

 

参考音源

サーリアホ:クラリネット協奏曲"D'OM LE VRAI SENS" より

https://www.youtube.com/watch?v=3bbNE3eUCYU

 

6/7 作曲家の肖像「アメリカ」

 

リットンがガーシュウィンのピアノ協奏曲を弾き振りできる、という所からアイディアが広がりアメリカ特集となった。どの曲もアメリカの音楽シーンを彩った曲。バーンスタインのディヴェルティメントはボストン交響楽団の創立100周年の委嘱作。B(Boston)とC(Century)の二音が効果的に使われる。第8曲は"The BSO Forever"(BSOよ永遠なれ)と題され、文字通りスーザの「星条旗よ永遠なれ」を髣髴とさせるマーチ。都響の珍しいスタンド・プレーに注目。

 

参考音源

バーンスタイン:管弦楽のためのディヴェルティメント

https://www.youtube.com/watch?v=mYuyilY_hxs

 

6/15 第790回B定期

 

引き続きアンドリュー・リットンの指揮。1918年にアメリカに移住したラフマニノフとシェーンベルクは一歳違い。2人は直接の交流はなかったそうだが、共通の友人は肖像シリーズで取り上げたガーシュウィン。全く違う作風ながら、二つ並べてみると共通する時代の空気のようなものが醸し出されるのではないか。シェーンベルクでソリストを務めるウォルフラムはリットンの推薦

 

6/29 第791回A定期

 

カエターニのショスタコーヴィチ「1905年」を軸にしたプログラム。冒頭のブリテン「ロシアの葬送」は、ショスタコーヴィチの第3楽章で引用される革命歌「君は英雄的にたおれた(同志は斃れぬ)」(Вы жертвою пали...)のメロディ。ブリテンはショスタコーヴィチの友人だった。

ヤナーチェクのヴァイオリン協奏曲にも同じメロディが少し出てくるので考えたが、結局不採用。

中プロのタンスマン「フレスコバルディの主題による変奏曲」は、バロック期イタリアの作曲家フレスコバルディによるメロディをモチーフにした作品。ポーランドの作曲家タンスマンの作品はカエターニが多数録音している。

金管+打楽器(ブリテン)→弦楽器(タンスマン)→管弦楽(ショスタコーヴィチ)という構成。

 

参考音源

ブリテン:ロシアの葬送

https://www.youtube.com/watch?v=y8js95aZva8

タンスマン:フレスコバルディの主題による変奏曲

https://www.youtube.com/watch?v=DDiOla1sAT0

 

7/12 第364回プロムナード

 

コンセルトヘボウと秋に来日するグスターボ・ヒメノの本格的な日本デビュー公演。コンセルトヘボウファンは要チェック。

リゲティとベートーヴェンはマエストロからの提案で、リゲティ初期の作品「ルーマニア協奏曲」はバルトークそっくり。スペイン出身のマエストロということで、中プロに朴葵姫(パク・キュヒ)を迎えて「アランフェス協奏曲」。

 

参考音源

リゲティ:ルーマニア協奏曲

https://www.youtube.com/watch?v=6m2iUq9nFAc

 

7/19, 7/20 都響スペシャル

 

ベートーヴェン、ブルックナーなどの大曲が続く小泉さんによる小品集。都響の音楽鑑賞教室を聴いた子供たちに是非足を運んでもらいたい。本格的な演奏会を聴くきっかけになれば。小品集といってもなかなか聴けない懐かしい曲を沢山盛り込んであるし、MCを入れたりすることはせず只管小泉さんが小品を振り続ける(笑)

名曲集のような形で商品化することも検討している。

 

8/2 作曲家の肖像「イギリス」

 

ブリテン、ホルストの定番名曲をイングリッシュ・ナショナル・オペラを立て直した俊英エドワード・ガードナーの指揮で。

真夏にこれだけの大編成の曲をやる演奏会はなかなかない。

 

9/2 第792回A定期

 

下野さん指揮で残暑を吹き飛ばすさわやかなプログラム。読響と全曲演奏したドヴォルジャークの交響曲のうち、今回は4番。(6番は今季N響と取り上げる)コダーイの夏の夕べはまさに夏から秋を繋ぐ名曲。

なお、定期に続く札幌公演では同じドヴォルジャークの8番を取り上げる。札幌ではすぎやま先生のドラクエも演奏。

 

参考音源

コダーイ:夏の夕べ

https://www.youtube.com/watch?v=lYt6sc15Z4w

 

9/19 第365回プロムナード

 

ルーマニア出身の俊英で、フィラデルフィア管のConductor in Residence (いわゆる正指揮者)を務めるクリスティアン・マチェラルが登壇。リムスキー=コルサコフと「悲愴」はマエストロの提案。

 

参考音源

リムスキー=コルサコフ:歌劇「見えざる都市キーテジと聖女フェヴローニャの物語」より ケルジェネツの戦い

https://www.youtube.com/watch?v=uJDZuWo3-2o

 

9/24 第793回定期A

 

ヨーロッパ・ツアーの関係で9月にA定期が2回の変則スケジュール。

サントリーホールのフェスティバルで彼のホルン協奏曲を初演(独奏はバリー・タックウェル)して以来、20年ぶりとなるオリヴァー・ナッセンとの共演。楽員も再共演を待ち望んでいた。A定期は彼がボストン響客演時に組んだプログラムとほぼ同じで、ミャスコフスキーとストコフスキー編曲「展覧会の絵」はどちらもホルン8本を要し、まとめて取り上げるのはとても考えられている。ちなみに両曲ともナッセンは録音している。

ミャスコフスキー10番はプーシキンの叙事詩「青銅の騎士」の挿絵に触発された作品。(「青銅の騎士」は実際はプーシキン像)

ナッセンのヴァイオリン協奏曲(日本初演はオーケストラ・アンサンブル金沢)では、サロネンなど多くの現代作曲家の信頼を受けるリーラ・ジョセフォウィッツがこの公演のためだけに来日。

「展覧会の絵」といえば普通は洗練され華麗なラヴェル編曲だが、ストコフスキー編は大オーケストラを要し、グロテスクな作品。よりムソルグスキーらしい音響を楽しめるのではないか。

 

参考音源

ミャスコフスキー:交響曲第10番

https://www.youtube.com/watch?v=JY0QM1qlu7U

 

9/29 第794回定期B

 

ソリストにピーター・ゼルキンが登場。ゼルキンは非常に指揮者や曲目を選ぶピアニストだが、大親友のナッセンが指揮ということで快諾。

ナッセンもゼルキンも武満演奏の権威ということで当然武満作品が考えられたが、近年東フィルと主要作品をやってしまっている。途中に大転換を要する「アーク(弧)」全曲というのも候補に挙がったが、そこまで行くと最早そういった企画モノの演奏会になってしまうので断念。ブラームスの第2番に落ち着いた。

他のプログラムはナッセンがMTTとロンドン響に書いた"Flourish with Fireworks"(1993)、シェーンベルクの架空の映画音楽、そして得意の武満作品。「精霊の庭」は飛騨古川のために武満徹が書いた作品で、飛騨にはこれを記念し「スピリットガーデンホール」が建てられた。飛騨にお宅がある小泉さん指揮で都響も「精霊の庭」をこのホールで演奏したことがある。

 

飛騨市文化交流センターから出ている小泉和裕/都響演奏のCD(「精霊の庭」も収録)

http://www.kouryu-c.com/shop/index.html

 

10/11 作曲家の肖像「ロシア」

 

重量感のある小泉さんのロシア音楽をたっぷりと。ラフマニノフの2番を弾くのは既に巨匠の風格を漂わせるロマノフスキー。

 

10/15 第795回A定期

10/16 第796回B定期

 

世界最高の合唱団・スウェーデン放送合唱団を完全にフィーチャーしたプログラム。2012年来日時に直接交渉し、都響50周年に合わせ来日を一年遅らせてもらった。オーケストラの定期演奏会なのに完全にオケは脇役だが、彼らの素晴らしい歌声が聴けるなら!ということで。

リゲティの無伴奏混声合唱曲「ルクス・エテルナ」は映画「2001年宇宙の旅」にも使われた曲で、16声部を30人程度で歌う(一声部約2人!)という凄い曲。シェーンベルクの「地には平和を」はもともと無伴奏だったが、あまりの難しさに初演の合唱団が歌えなかったため小管弦楽が追加された。もともと合唱と管弦楽のスコアが別々に出ていたが、今回の演奏に合わせ合唱+管弦楽のスコアが新たに出版される。

スウェーデン放送合唱団は今回30人ほどの編成で来日。「少ないのでは?」と思うかもしれないが、彼らはアバド/ベルリン・フィルとの「復活」を歌った時でも40人ほど。各人が圧倒的技量を持っているのでその人数で充分ということ。

 

参考音源

リゲティ:ルクス・エテルナ

https://www.youtube.com/watch?v=-iVYu5lyX5M

 

11/2 第797回B定期

 

大野さんとのヨーロッパ・ツアーの曲目での演奏会。委嘱の細川作品については現在最終構想段階にある。

ラヴェル・プロコフィエフ(ソリストはレーピン)・細川(独唱は藤村さん)・ドビュッシーとかなり豪華なプログラムとなっている。

 

12/10 第798回A定期

 

ご存知の通り首席客演指揮者フルシャはウィーン国立歌劇場デビューのため降板。都響としては勿論まず引き留め交渉したが、最終的に彼をウィーンへ送り出す形に。都響とは今後もマルティヌーの交響曲全曲演奏ほか、今回振るはずだったマーラー「巨人」も含めて引き続き共演予定であり、関係が途絶えるということはない。ちなみに彼は、都響のほかシカゴ響(デビュー)、シュトゥットガルト放送響、ロイヤル・フランダース・フィルを全てキャンセルしてウィーンを選んでいる。

代役のミヒャエル・ザンデルリングは元ドレスデン・フィルのチェリストであり、ショスタコーヴィチでのソリストは彼のマスタークラスを受け活躍するアレクセイ・スタドレル。ザンデルリングとの共演で掘り下げた演奏を披露してくれるだろう。メインのチャイコフスキー「冬の日の幻想」はザンデルリングの得意曲で、各地の客演で好評を博している。時期的にもよいプログラミング。

初客演指揮者に都響の大切なレパートリーであるマーラーをお任せすることはしない。

 

参考音源

チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」

https://www.youtube.com/watch?v=0v0LThe6sow

 

12/15 第799回B定期

 

2014年のビゼーで絶賛を博したミンコフスキが待望の再客演。初客演の成功を見越して既に15-16シーズンも予定を組んでいた。

ハイドン、ラヴェル「ダフニスとクロエ」、ハンス・ロットの「1番」(!)など様々な候補が挙がったが、最終的にミンコフスキが敬愛してやまないフルネへのオマージュであるルーセルを前プロに、都響というモダン・オケならではの選曲としてブルックナー0番に決定した。

ブルックナーはミンコフスキの意向で16型倍管の大編成で演奏する。彼曰く「そうしないとオルガン・トーンが出ない」とのこと。

 

参考音源

ブルックナー:交響曲第0番

https://www.youtube.com/watch?v=jJ_aqEH9l5s

 

12/23, 25, 26 都響スペシャル「第9」

 

前述の通りフルシャのキャンセルを受け代役としてインバルが登壇クリスマスの時期はキリスト教徒の指揮者の多くが家族とゆっくり過ごすことを選ぶためなかなか来日してくれないが、ユダヤ人のインバルはあまり年末が関係ないのであっさりと引き受けてくれた。

 

2016/1/12 第800回A定期

 

記念すべき800回は小泉さんの指揮でメンコン&家庭交響曲という鮮やかな対比のプログラム。小泉さんは第600回定期でも「家庭交響曲」を演奏し、CD化されている。なお600回定期では後半にフルネが指揮した。

メンコンのソリストはイザベル・ファウストという贅沢さで、聴き慣れた曲と思わずファウストの素晴らしい演奏に耳を傾けてほしい。

 

2016/1/26 第801回B定期

2016/1/27 都響スペシャル

 

2011年夏のスペシャル以来、聴衆・楽員が待ちわびていたアラン・ギルバートがついに再客演。今回の定期およびスペシャルのプログラミングは全て彼の希望によるもの。ラインスドルフ編曲の「指環」は「ラインの黄金」を省いた珍しい構成で、いきなりヴァルキューレの騎行から始まり、「黄昏」の最終場面で終わる。ピットにあまり入らない都響にとってはヴァーグナーは新鮮なレパートリーであり、ギルバートが都響からどんなヴァーグナー・サウンドを引き出してくれるか期待が高まる。

 

2016/1/30 都響スペシャル

 

ギルバートとのもう一つのプログラムは打って変わってストレートなオール・ベートーヴェン・プログラム。協奏曲でソロを弾くイノン・バルナタンはイスラエルの俊英。

 

2016/2/28 第336回プロムナード

 

都響は2011年の震災以来いわきアリオスで小中学生向けのコンサートを継続的に行ってきており、2016年は通常の公演に加え特別演奏会を開くことになった。曲目選定の過程で、いわきアリオス側から「ラヴェルのボレロはいわきの人にとって特別な曲」という話があった。というのも、震災により避難所となりコンサートホールとしての機能が停止したいわきアリオスで、震災後初の公演となったのがシルヴィ・ギエム演じるベジャール振付「ボレロ」だったのだ(ギエムは被災地のために、2005年以来の封印を解いてボレロを踊った)。この話を受けて大野/都響によるボレロが決定し、同時期のプロムナードも共通の演目となった。

 

2016/3/5 作曲家の肖像「日本」(最終回)

 

日本を代表とする作曲家が肖像シリーズで一度も取り上げなかったことを鑑み、大野音楽監督による日本の作曲家特集で最終回となる。

武満徹の「冬(Winter)」は初演をメシアンも聴いた作品で、札幌オリンピックIOCの委嘱。

2016年は柴田南雄(ご子息は都響コントラバス奏者の柴田乙雄さん)の生誕100周年。遊楽は都響の第100回定期のために書かれた作品で、祭囃子を用いる。その用法が効果的で祝祭的な印象を与える。

メイン・プロにはオペラシティの開館15周年のために書かれた池辺晋一郎の「第9」。二人の歌手による連作歌曲集のようであり、ショスタコーヴィチの14番を想起させる(オーケストラは3管編成と大きい)。初演を歌った幸田浩子、宮本益光を迎えての演奏となる。 

 

参考音源

武満徹:冬

https://www.youtube.com/watch?v=JH_ONJsnFco

 

2016/3/19 第367回プロムナード

 

都響が誇る名手、古川さんと店村さんによる「ドン・キホーテ」は小泉さんの希望。円熟期にある名手による充実の演奏に期待。

 

2016/3/24 第802回定期B

 

インバルの強い希望によりバーンスタインの「カディッシュ」を演奏。同じユダヤ人、そしてマーラー指揮者としてバーンスタインへの思い入れがあるインバルは各地で彼の作品を演奏している。今回の演奏のために来日するサミュエル・ピサールはホロコースト経験者にして作家・国際的に著名な弁護士であり、本当の意味でのセレブレティとも言える偉大な人物。バーンスタインに「カディッシュ」の新たなテクストを依頼され、彼の死・同時多発テロを経て自身の経験をもとに「カディッシュ-神との対話」を執筆。その圧倒的な説得力に世界中から絶賛を受けた。不確定事項ではあるが、震災や原発事故など日本の現状を受けて、もしかするとピサールは一部テクストを改定するかもしれない。本公演では日本語字幕を用意する。

2014年フランクフルトでの「カディッシュ」の演奏では前半にマーラーの交響詩「葬礼」が組み合わせられたが、この作品は要は「復活」の1楽章。日本政府が委嘱し演奏を拒否されたブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」が、日本での「カディッシュ」の組み合わせとして最も相応しい作品ではないか。

 

参考音源

バーンスタイン:交響曲第3番「カディッシュ」

https://www.youtube.com/watch?v=zTAnmHPTKEk

 

2016/3/29 第803回定期A

 

「俺はあと何番振ってないんだっけ?」と豪語するインバルによるショスタコーヴィチは、作曲家最後の第15番。

奇しくも前半に演奏されるモーツァルトのピアノ協奏曲も最晩年の作品。2016年2月に80歳を迎えるインバルによる深遠なメッセージを味わう公演になる。

 


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